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「竜頭蛇尾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

竜頭蛇尾の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
狂言の神」より 著者:太宰治
うかい》の一語がひょいと顔を出さなければならぬ事態に立ちいたり、かれ日頃ご自慢の竜頭蛇尾の形に歪《ゆが》めて置いて筆を投げた、というようなふうである。私は、かれ....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
東風子は別段癪に障った様子もない。やはり沈着な口調で「その船頭でせっかくの催しも竜頭蛇尾《りゅうとうだび》に終りました。実は会場の隣りに女学生が四五人下宿してい....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
いはずである。起句が余りに荘厳であるから、如何なる名句をもってこれに次ぐも、到底竜頭蛇尾たるを免れないのである。千思万考、推敲《すいこう》百遍、竟《つい》に一辞....
独身」より 著者:森鴎外
。」 富田は意地きたなげに、酒をちびちび飲みながら冷かした。「もうおしまいか。竜頭蛇尾だね。そんな話なら、誉めなけりゃあ好かった。」 四 この....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
屋外燈管制が今夕からはじまって、電車は、ものの読めない暗さで走っているそうです。竜頭蛇尾ということには謂わば芸術的に云ってさえ美がない。だから全く全く恐れ入って....
白痴」より 著者:坂口安吾
気味な音響が仕掛けてあっても地上の爆発音がないのだから音は頭上でスウと消え失せ、竜頭蛇尾とはこのことで、蛇尾どころか全然尻尾がなくなるのだから、決定的な恐怖感に....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
熱中する代りに、すぐそれに飽いてしまうという厄介な性質を持っていました。いわば、竜頭蛇尾、たとえば千メートルの競争だったら、最初の二百メートルはむちゃくちゃに力....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
か》ながらも大きなる過失は、なかりしならんに、志《こころざし》薄く行い弱くして、竜頭蛇尾《りゅうとうだび》に終りたること、わが身ながら腑甲斐《ふがい》なくて、口....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
けることができなかったというあたりは実にサッソウたる武者ぶりであるが、これぐらい竜頭蛇尾、威厳を失うこと甚しい神様というものは他に類がないようだ。せッせと忠義を....