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竣成
「竣成〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
竣成の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
の心はいつの間にか苛《いら》だたしい憤りでいっぱいになっていた。彼は、もう刳貫の
竣成を待つといったような、敵に対する緩《ゆるや》かな心をまったく失ってしまった。....
「写生紀行」より 著者:寺田寅彦
の仕事しながらの会話によって対岸の廃工場が某の鋳物工場であった事、それがようやく
竣成していよいよ製造を始めようとするとたんに経済界の大変動が突発してそのまま廃墟....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
この温泉の村に、新に町制が敷かれたのと、山手に遊園地が出来たのと、名所に石の橋が
竣成したのと、橋の欄干に、花電燈が点いたのと、従って景気が可いのと、儲るのと、た....
「源氏物語」より 著者:紫式部
けて行くころになれば、寝ざめ寝ざめに故人のことばかりの思われて悲しい薫は、御堂の
竣成したしらせがあったのを機に宇治の山荘へ行った。かなり久しく出て来なかったので....
「海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
総之丞もいた。 権兵衛は悩まされた釜礁が除れて、工事が思いの外に捗り、間もなく
竣成したので、高知の藩庁に報告する必要から、急いで引きあげて往くところであった。....
「吹雪のユンクフラウ」より 著者:野上豊一郎
ものかと思ったら、一八九八年(明治三十一年)に起工して一九一二年(同四十五年)に
竣成している。設計者は、テューリヒのアドルフ・ガイヤーツェラーという機械技師で、....
「バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
まで世界の名曲の一部がチャイムとなって虚空遙かに流れわたるのである。 此の塔が
竣成して間もなく、専門家が長い間の研究と実験を経て完成されたチャイムの鐘が十二個....
「東京宝塚劇場の再開に憶う」より 著者:小林一三
塚歌劇が常打できる東京宝塚劇場の建設にかかったのであります。 それが昭和八年末
竣成して、あくる昭和九年一月一日より宝塚歌劇をもって、華々しく開場しました。爾来....
「魔味洗心」より 著者:佐藤垢石
を失っていた。 大正十五年、利根郡川田村岩本地先に、関東水力電気会社の大堰堤が
竣成する前までの、利根川の鮎は、姿といい、香気といい、味といい、まことに立派なも....
「利根の尺鮎」より 著者:佐藤垢石
地獄の滝も凄寒を催す眺めである。 水上温泉から二里下流の小松に、東電の発電所が
竣成したのは、随分古い昔である。小松に発電所ができてからは、天然鮎ではその放水路....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
木徳子には私の友人が知り合いであったので二、三度引き逢わされた。 帝劇の工事が
竣成して花々しく開場した時には私も賓客の一人として招待された。赤いじゅうたんをし....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
、江別、石狩に至るまでの蜒々二十何里という大灌漑溝を作るための工事で、一旦それが
竣成すれば、その分派線一帯にかけて、何千町歩という美田が出来上る。北海道の産米が....
「十日の菊」より 著者:永井荷風
し帝国劇場はこの時既に興行十年の星霜を経ていた。 わたしはこの劇場のなおいまだ
竣成《しゅんせい》せられなかった時、恐らくは当時『三田文学』を編輯《へんしゅう》....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
》し鎧《よろい》の渡《わたし》を始めとして市中諸所の渡場は、明治の初年架橋工事の
竣成《しゅんせい》と共にいずれも跡を絶ち今はただ浮世絵によって当時の光景を窺《う....