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「童児〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

童児の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
金将軍」より 著者:芥川竜之介
青田《あおた》の間《あいだ》を歩いて行った。するとたちまち道ばたに農夫の子らしい童児が一人、円《まる》い石を枕にしたまま、すやすや寝ているのを発見した。加藤清正....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
《あえ》ぎ喘ぎ草山へ上って来た。彼等のある者は髪を垂れた、十《とお》には足りない童児《どうじ》であった。ある者は肌も見えるくらい、襟や裳紐《もすそひも》を取り乱....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
共に、おのずから異性との交渉に立ち入らないと云うのも同じことである。これは三歳の童児と雖《いえど》もとうに知っていることと云わなければならぬ。のみならず男女の差....
運命論者」より 著者:国木田独歩
う、そんな心持《こころもち》になりました。 人の心の不思議を知って居るものは、童児《こども》の胸にも春の静《しずか》な夕《ゆうべ》を感ずることの、実際有り得る....
死体蝋燭」より 著者:小酒井不木
お前は、わしがこのあいだ貸してやった雨月物語の青頭巾の話を覚えているだろう。童児に恋をした坊主が、童児に死なれて悲しさのあまり、その肉を食い尽くし、それから....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
の中には二十五六年前には未だ生れない人もある。其大部分は幼稚園若くは尋常一二年の童児であったろう。此の時代、文人の収入を得る道が乏しく、文人が職業として一本立ち....
連環記」より 著者:幸田露伴
あって、為政は文章博士で、続本朝文粋の作者の一人である。保胤の兄保憲は十歳|許の童児の時、法眼既に明らかにして鬼神を見て父に注意したと語り伝えられた其道の天才で....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
とにつまらないという程の語である。「わらは」は童男童女いずれにもいい、「老人も女童児も、其が願ふ心|足ひに」(巻十八・四〇九四)の例がある。 恋愛の歌は若い男....
天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
「おお其方は森宗意軒か」言葉迄も全然変り「私は宗旨を拡めるため天から遣わされた童児であるぞ」 「尊い尊い天の童児様! 尊い尊い天の童児様!」 「見ろ、私は義軍....
」より 著者:坂口安吾
緒方はちょッとからかってみたい気持になった。 「君は柔道も強いそうだな」 牛は童児のように柔和な目に笑みをたたえた。 「腕ッ節が強くて脚が達者ときては、君がお....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
祭の日に突然神隠しに遭ってからと云うものは、あっちにひとり、こっちにひとりと都の童児どもが、五人も六人も行方わからずになって、それっきり一向帰って来ないと云うこ....
中支遊記」より 著者:上村松園
さまをみては武陵桃源という文字もありそうなことだと思うし、白髪の仙人が瑟をもった童児を従えている図も絵空ごととは思えない風景である。 またしても思うのは戦争な....
良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
いては、それを弥々力説するものである。良寛様の書において今一つ注目されることは、童児の手習いに見る稚拙そのものの含有である。 無邪気な子供の手になる手習、それ....
五重塔」より 著者:幸田露伴
ない奴でござります、虚誕はなかなか申しませぬ、お上人様、大工はできます、大隅流は童児の時から、後藤立川二ツの流義も合点致しておりまする、させて、五重塔の仕事を私....
頸の上のアンナ」より 著者:神西清
子として、あなたのような薄志弱行は実に恥ずべきことですよ。このようなことは三歳の童児も心得ていることで私から申し上げるまでもないですが、立派な才能を天から与えら....