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童心
「童心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
童心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
のだが、態度がひどく大人びていて、誰しも成年期を前に幾分残っていなければならぬ、
童心などは微塵も見られない。ことに、媚麗しい容色の階調を破壊しているのが、落着き....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
むをえず死んでしまったであろうかも知れないと私はひそかに考えている。 あるいは
童心と無邪気と稚拙とによって描く事がいい事だと、誰れかが、あるいは電報通信社から....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
業であったことは、現代から見ると大よそ嘘の如き話である。 昔の日本の大人は早く
童心を失ってしまい、子供も早く
童心を卒業しようとした。早く内密の世界へ、大人らし....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
夫人だのってカチ(逸作はかの女を斯う呼ぶ)を贔屓にするではないか。 ――大人で
童心を持ってるのと、子供が子供のまんまなのとは違うよ。大人で
童心を持ってるその童....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
実は深き疑団とならずにはいなかったろう。何故に悪が善に勝つかということほど純直な
童心をいたましめるものはないからだ。 彼は世界と人倫との究竟の理法と依拠とを求....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
、お筆は日頃の険相には似もせず、愛想よく二人を招じ入れたが、そうしてはじめ光子の
童心を襲った悪夢のような世界は、続いて涯てしもなく、波紋を繰り広げて行った。老い....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
きめくようなこともない。 春の曙光は、お祖母さまのことで暗く色づけられていた。
童心は、やがて淡くなり、薄れるように去るだろう……。しかし、お祖母さまのことだけ....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
に、お岩や伊右衛門はまだしものこと、せめて宅悦の顔にでも接していたならば、作者が
童心にうけた傷は、さらにより以上深かったろうと思われる。 ところがついにそれは....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
憶して、幼いものの先天心の権利というものを考えずにはいられない。良心と言うよりも
童心、
童心というよりも天心だ。大人の教えを受けない前、アプリオリの感別力である。....
「火の扉」より 著者:岸田国士
れども、このあいさつには閉口した。 「奥さん、批評はかんべんしてください。わしの
童心が傷つきますから……」 笑いをふくんで言う彼の言葉に、すかさず、彼女は、 ....
「ストリップ修学旅行」より 著者:小野佐世男
むしろ清流に遊ぶ人魚のたわむれるような心地よさが、みなぎっているのは、天心爛漫、
童心にかえったあまりにも自然の姿なのであろうか。私は外分をかざり、いやしみとへつ....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
の細楷には童年書家の影響を物語るものがありありと窺えるのである。名手の外皮に童技
童心を包蔵していることは明瞭である。 元来、良寛様は相当圭角のある人であるよう....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
か考えたところがあるのでした。 人間の味というものも、結局、最後には純情素朴の
童心の美しさでありましょう。しかし、ただの
童心というものは、文字どおり
童心一枚だ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
のではあるまいじゃないか。殊にスティヴンソンの童謡などは常識的で、大人が推測した
童心らしいものであって、畢竟の境涯的の
童心じゃない。毛唐でさえあれば新進作家だろ....
「昆布とろ」より 著者:北大路魯山人
ものであって、ちょっといなせなところがあり、気取ったところがあって、稚気があり、
童心に満ち、愛すべきところのものであるが、やはり、これもまだ「若い」の一語に尽き....