童顔[語句情報] »
童顔
「童顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
童顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
sochism ――保吉は思わず紙切れから、いつも頬《ほお》に赤みのさした中尉の
童顔へ目を移した。
「これですか? このマソヒズムと云う……」
「ええ、どうも普....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
っている。ターザンのオジサンという子供の人気もの――折竹にはそういう反面もある。
童顔で、いまの日本人には誰にもないような、茫乎とした大味なところがある。それに加....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
プロフェッサー自身で出迎えて、そうして所内を案内してくれた。西洋人にしては短躯で
童顔鶴髪、しかし肉つき豊かで、温乎として親しむべき好紳士であると思われた。住宅が....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
本部長の蓑浦中将や、テレヴィジョンで有名なW大学の工学部主任教授の土佐博士の丸い
童顔や、それからそれへと、我国科学界の最高権威を残りなく数えることができるのであ....
「蠅男」より 著者:海野十三
近づいた。 なるほど正木署長もいた。帆村と親しい村松検事もいた。戎署長の真赤な
童顔も交っていた。 正木署長は手をあげて帆村をよんだ。 「やあ皆さん。蠅男が電....
「海底大陸」より 著者:海野十三
へんだぞ」 少年は叫んだ。 「どうした、三千夫君」 とエバン船長は、まっかな
童顔を少年の方によせてくる。 「これをごらんなさい。潜望鏡が波間に浮いていますよ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
って、飛行士に別れた。そして天文台の正面の方へテクテクと歩いてゆくと向うから白髪
童顔の老紳士が近づいてきて、彼の方に手をあげてしきりと合図をするではないか。誰だ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
ても見落すまいとして、行き過ぎたのを小戻りさえする青年の近くにうろうろする洋装で
童顔のかの女が、青年にだんだん意識されて来た。青年は行人を顧みるような素振りを装....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
くようにぼやけて寂しい。 「東西、東西。」 青月代が、例の色身に白い、膨りした
童顔を真正面に舞台に出て、猫が耳を撫でる……トいった風で、手を挙げて、見物を制し....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
で、てらてらと仇光る……姿こそ枯れたれ、石も点頭くばかり、行澄いた和尚と見えて、
童顔、鶴齢と世に申す、七十にも余ったに、七八歳と思う、軽いキャキャとした小児の声....
「天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
白い頭髪は肩まで垂れ雪を瞞く長髯は胸を越して腹まで達し葛の衣裳に袖無羽織、所謂
童顔とでも云うのでしょう棗のような茶褐色の顔色。鳳眼隆鼻。引き縮った唇。其老人の....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
私はこう思うので、音物は政治の活力だとな」こう云ったのは六十年輩の、長身、痩躯、
童顔をした、威厳もあるが卑しさもあり、貫禄もあるが軽薄さもある、変に矛盾した風貌....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
と見ると弓之助の正面に、一人の老武士が腰かけていた。雪白の髪を総髪に結んだ、無髯
童顔の威厳のある顔が、まず弓之助の眼を惹いた。左の眉毛の眉尻に、豌豆ほどの黒子が....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
、そこに奇談もなにもないものは、聴いても仕様がないよ」 すると、折竹がいきなり
童顔をひき締めて、オイと、一喝するように呶鳴った。 「おいおい、話というものはし....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
ゃ、ほかに能がない男だから……」 佐々木は、そういって部厚な膝をゆすった。彼の
童顔はただ好人物らしくふくよかな、自嘲や卑屈な影などは窺えなかった。 「だけど、....