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竦
「竦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
竦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
苛《さいな》まれてついに涙ぐみ、身の措《お》き所に窮して、辛くも車の後《あと》に
竦《すく》みたりき。乗り合いはますます躁《さわ》ぎて、敵手《あいて》なき喧嘩《け....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
で。
亭主は法然天窓《ほうねんあたま》、木綿の筒袖《つつそで》の中へ両手の先を
竦《すく》まして、火鉢《ひばち》の前でも手を出さぬ、ぬうとした親仁《おやじ》、女....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
膚《はだ》を裂きて寸断せんとせり。渠はぶるぶると身を震わせ、鞠《まり》のごとくに
竦《すく》みつつ、 「たまりません、もし旦那、どうぞ、後生でございます。しばらく....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ゃるのはその河野さんの母様じゃないか、気をお着けな。」 帽子をすっぽり亀の子|
竦みで、 「ホイ阿陀仏、へい、あすこにゃ隠居ばかりだと思ったら……」 「いいえね....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
は言うまでもなかったのである。 洗面所の水の音がぴったりやんだ。 思わず立ち
竦んで四辺を見た。思い切って、 「入りますよ、御免。」 「いけません。」 と澄....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
の恨みをただ眼のにらみに集めたらしい。 「あのこわい顔!」菊子は真面目にからだを
竦ませたが、病んでいる目がこちらを見つめて、やにッぽくしょぼついていた。が、僕に....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
く擽ったい。どうも、ああ、こりゃ不可え。」 と脇腹へ両肱を、しっかりついて、掻
竦むように脊筋を捻る。 「ははははは、これはどうも。」と按摩は手持不沙汰な風。 ....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
えず、魑魅魍魎隊をなして、前途に塞るとも覚しきに、慾にも一歩を移し得で、あわれ立
竦になりける時、二点の蛍光|此方を見向き、一喝して、「何者ぞ。」掉冠れる蝦蟇法師....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の、犠牲らしいあわれな媚で、わざと濡色の髱を見せる。 「うふふ。」と鳥打帽の頭を
竦めて、少し猫背で、水道橋の方へ出向いたあとで。…… 四 遅い午....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
い、思わず起って駈出でしが、肩肱いかめしく構えたる、伝内を一目見て、蒼くなりて立
竦みぬ。 これを見、彼を聞きたりし、伝内は何とかしけむ、つと身を起して土間に下....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
ンクンと鳴して左右に蠢めかしたのを一目見ると、しりごみをして固くお米を抱きながら
竦んだ。 「杖に縋って早や助かれ。女やい、女、金子は盗まいでも、自分の心が汝が身....
「取舵」より 著者:泉鏡花
」 酷くも袂を振払いて、再び自家の苦悩に悶えつ。盲人はこの一喝に挫がれて、頸を
竦め、肩を窄めて、 「はい、はい、はい。」 中 甲板より帰来....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
なた、私を何と思います。」 と切なる声に怒を帯びたる、りりしき眼の色恐しく、射
竦めらるる思あり。 枕に沈める横顔の、あわれに、貴く、うつくしく、気だかく、清....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
の疵あとが颯と薄化粧を切って、その色はやや蒼ざめた。 愕然、茫然、唖然として立
竦んだ八郎がたちまち恭しくお辞儀をして、 「誰方も御見物は木戸口から願います。」....
「活人形」より 著者:泉鏡花
ッ。「宮本|無三四は雷に恐れて震えたという。「遠山喜六という先生は、蛙を見ると立
竦みになったとしてある。 「金時ここにおいてか幽霊が大禁物。「綱もすなわち幽霊に....