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「端た〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

端たの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
深夜の市長」より 著者:海野十三
るかもしれんですね」 「あの時刻は、結局貴方が算出した時刻でしたネ。何秒とかいう端たはついていたが……」 「そうです。例の事件の現場で、君が拾って来た時計から算....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
かとも考えられた。けれども、冷静そのもののような彼が、どうしてどうしてさように、端たない振舞を演じようとは思われぬのである。然し、そうして根掘り葉掘り、さまざま....
世相」より 著者:織田作之助
とりした眼で見つめながら、いきなり私の膝を抓るのであった。「こら何をする」と私は端たなく口走る自分に愛想をつかしながら、それでも少しはやに下って、誘われるとうか....
夜光虫」より 著者:織田作之助
とこがある。今日ちょっと仕込んだだけで、ちゃんともう一仕事しよった」 「あ、この端た金が……」 そうなの? ……と、お加代は唖の娘からまき上げた金を、未練気も....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
)の作百人一首これを本となすべきにこそ。……総じて此道は、代を治め民を導く教戒の端たり。しかれば実を根本にして、花を枝葉になすべき事也。それを新古今の頃の作者、....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
いたら、金をくれるぞ。十両でも二十両でも」 「金なら、妾だって持っているよ」 「端た金だろう」 「鋼鉄さ、斬れる金さ」 お浦は、片手を懐中へ入れ、呑んでいた匕....
村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
ぬ半金だけ、妾にくれて行きなましえ」 すっかり時代で嚇しかける。 「一両二両の端た金なら、テラ銭のつもりで置いても行こう、こう思っていた鼻先で、半金よこせは馬....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
やろう、まず金高から聞かせようかの」 「千両かな? 二千両かな?」 「千や二千の端た金で何んの大騒ぎするものか」 「うわあ、大きく出やがったぞ」 「俺の睨みがは....
茶番に寄せて」より 著者:坂口安吾
して突然棺桶をねぎりだす。別段死者や恋仇をいたわる精神があるわけじゃない。万事万端ただ森羅万象の肯定以外に何物もない。どのような不合理も矛盾もただ肯定の一手であ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
具の襲撃を避けるためでした。まことや金城鉄壁、天下も慴伏す葵の御定紋が、その切れ端たりとも駕籠の先にかかったならば、もう只の駕籠ではないのです。上将軍家のお召し....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
出しながら、と見ると船の中に財布が一つ有った、縞の財布よ、其の中に金が三両二分に端たが些とばかりと印形が這入ってたから、遺し主へ知らせて遣りたいと思って、万年の....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
ゃねえか、七歳の時から育て、路銀を遣って斯様な山の中まで尋ねて来て、五両ばかりの端た金を貰って帰られるか帰られねえか考えて御覧なせい」 角「帰られねえけりゃア何....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
助を助けようが為に自分の一命を差出して明白に上のお裁きを仰ぐくらいの名士、そんな端たない者ではござりませんな」 と云われて亥太郎と國藏は眼ばかりパチ/\やって....
雪の宿り」より 著者:神西清
。その厳しいお躾けを学衆の中には迷惑がる者もおりまして、今義堂などと嘲弄まじりに端たない陰口を利く衆もありましたが、御自身を律せられますことも洵にお厳しく、十七....
青年」より 著者:森鴎外
番|振っているのは、「もうこれだけで丁度になりますからどうぞ」というのであった。端たのないようにする物、纏めて置く物に事を闕いて、借金を纏めて置かないでも好さそ....