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「端っこ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

端っこの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
寂しいんだよ」 「では、どうして差上げたらよろしいのでございましょう」 「どんな端っこでもいい、おまえの家へ泊めとくれよ」 翁の声は小さかったが強訴の響は籠っ....
地中魔」より 著者:海野十三
いた。 三吉はじりじりと匍いながら、前進した。彼は岩の足首を縛っているロープの端っこをつかんだ。 (見ろよ見ろ、見ろ!) 彼は、岩の独言を真似して、口中でい....
杉子」より 著者:宮本百合子
。 不自然な苦しい気がこみあげて、杉子はそこに放り出してあった帛紗をとりあげ、端っこでふりまわしながら自分の部屋へ出て行った。 伊田が上って行ったのかどうか....
ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
、陰気なくらい低く、上の尖ったゴシック風の窓がついていて、天井は樫であった。室の端っこの、なんとなく怖いような気のする一つの角に、八フィートか十フィートくらいの....
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
ころでがす、ウィル旦那、――ほんとに」と黒人はすばやく答えた。――「もうおおかた端っこのとこでさ」 「端っこのところだって!」と、そのときルグランはまったく金切....
三月八日は女の日だ」より 著者:宮本百合子
忽ち散ってしまって、日本女は自分の前に雨びしょびしょの暗い交叉点、妙な空地、その端っこに線路工夫の小舎らしい一つの黄色い貨車を見た。その屋根でラジオのアンテナが....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
く、黒い灰が山になっていた。その燃え屑の中から、警視は燃え残った緑色の小切手帳の端っこを掘り出した。例のステッキの片方の半分もドアのうしろから見つけ出された。こ....
復讐」より 著者:豊島与志雄
きに寝てしまうだろう。いい頃を見計って、表の戸の間に、お多賀さんが半紙をはさみ、端っこを少しのぞかせておいてくれる。それを見て、私が指先で軽くノックすれば、お多....
無法者」より 著者:豊島与志雄
ょう。」 志村はそれまでに、三杯のカクテルを飲み干してしまった。房代夫人も唇の端っこでカクテルをなめた。それから、通りかかった女中に、また、カクテルを二杯たの....
擬体」より 著者:豊島与志雄
幾つかの店に区切られてるその一番奥に、壁に沿って白木の卓が並んでる飲屋があった。端っこの隅の卓で、丸田が日本酒を飲んでいた。石村証券の社員である。青木はその前に....
次郎物語」より 著者:下村湖人
。」 お民の声は、すっかりおびえ切っている。 次郎は、闇をすかしながら、道の端っこにしゃがんだ。 「次郎、次郎や、どこにいるの。」 次郎は息を殺した。そし....
魔都」より 著者:久生十蘭
いうことになった。これが三時二十分ごろ。……あたしの部屋は備前堀の側の庭に向いた端っこで、築地の塀一つですぐ通りになる。……床へ入ってから二十分ぐらい経ったろう....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
ような、甘いだけのものでなかったことを知って、目がさめたようになった。 人生の端っこをのぞいたばかりなのに、なにもかも知りぬいているみたいに、いい気になって差....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
ィー・ボリースィチは敷布の上から、セルゲイの細い羅紗のバンドを拾いあげると、その端っこをつまんで細君の眼のまえに突きつけた。 カテリーナ・リヴォーヴナは、ちっ....
ブリユンチエールの言葉について」より 著者:平林初之輔
。そういう小説の材料となる偶発事件は人生の大道からとってきたものでなくて、人生の端っこに起こる事件からとってきたものであるというのであります。 私は、文芸の価....