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端午
「端午〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
端午の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
はや》家庭というものに未練のない自分だけの栖所《すみか》を下宿に求めようとした。
端午《たんご》の来る頃には――泉太や繁が幼少《ちいさ》い時分に飾った古びた金時《....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
ことはなかった。 許嫁同様の、お八重の美しい高島田姿を時々思い出した。お正月や
端午の節句などに成田家へ遊びに行くと、酒好きな頼母の相手をさせられたが、そんな時....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
た。 「これよりすぐに打ち立つよう」 「かしこまってござります」 「去年の五月、
端午の節句に、楯無しの鎧を盗み取ったような、素晴らしい機智を働かせて庄三郎を召し....
「新茶のかおり」より 著者:田山花袋
食うのも興がある。国府台に行って、利根を渡って、東郊をそぞろあるきするのも好い。
端午の節句――要垣の赤い新芽の出た細い巷路を行くと、ハタハタと五月鯉の風に動く音....
「幼年時代」より 著者:堀辰雄
、それまでのすべてのいろんな記憶は跡かたもなく消されてしまったらしい。そののちは
端午の節句になっても、私のためにはただ一枚の鍾馗《しょうき》の絵が飾られたきりで....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
八木の進献があり、武射饗三および打竹をも進上する。鳥羽庄からは鏡餅を持って来る。
端午《たんご》の節句が近づくと、同じく鳥羽庄からして菖蒲の持参に及ぶ。続いて瓜の....
「水の女」より 著者:折口信夫
りの内容を小別けしてみると、鎮花祭の後すぐに続く卯月八日の花祭り、五月に入っての
端午の節供や田植えから、御霊・祇園の両祭会・夏神楽までも籠めて、最後に大祓え・盂....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
板を卸して言った。 「孔乙己はどうしたろうな。まだ十九銭貸しがある」 次の年の
端午の節句にも言った。 「孔乙己はどうしたろうな。まだ十九銭貸しがある」 中秋....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
しく、きょうは、かのえさる、仏滅だと言ってしょげかえっているかと思うと、きょうは
端午だ、やみまつり、などと私にはよく意味のわからぬようなことまでぶつぶつ呟いてい....
「月光の下」より 著者:田中貢太郎
あった。まだ陰暦で年中行事をやっている僻遠の土地では、その日は朝から仕事を休んで
端午の節句をやっていた。壮い漁師の家でも隣家の者が二三人集まって来て、夕方から酒....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
てか、今度は、高野山から雪曽《せつそ》という人相見の法印《ほういん》を呼びよせ、
端午の節句の当日、家中列座のなかで、源次郎さまの相は野伏乞食の相であると憚りもな....
「音に就いて」より 著者:太宰治
しく殺してしまって、その場に茫然立ちつくしていると、季節は、ちょうど五月、まちは
端午の節句で、その家の軒端の幟が、ばたばたばたばたと、烈風にはためいている音が聞....
「楢の若葉」より 著者:佐藤垢石
こう、父は想い出深そうに、私に説明するのであった。そして、それは毎年、五月の
端午のお節句が過ぎた頃である。その頃になると、河原の上に川千鳥の鳴き叫ぶ声を聞く....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
あって、冬に葉のないショウブとはだいぶ異なっている。 この水に生《は》えていて
端午《たんご》の節句《せっく》に用うるショウブは、昔はこれをアヤメといった。そし....
「山道」より 著者:中里介山
からほぼ、三里の大菩薩峠を目ざして行く時は前にいった通り陽春の五月、日はまさしく
端午《たんご》の当日であります。沿道の谷々には桃李《とうり》が笑っている、村々に....