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「端厳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

端厳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:芥川竜之介
》向菩提樹《ぼだいじゅにむかう》。』女人《にょにん》を見、乳糜に飽《あ》かれた、端厳微妙《たんごんみみょう》の世尊の御姿が、目《ま》のあたりに拝《おが》まれるよ....
」より 著者:芥川竜之介
とう》のぼんやりした明りで、観音様の御顔が見えました。日頃|拝《おが》みなれた、端厳微妙《たんごんみみょう》の御顔でございますが、それを見ると、不思議にもまた耳....
日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
、与《く》みされない。 火山の特徴として、何人にも気が注《つ》かれるのは、その端厳なる形式の美しさである、アルプス式の山岳に、氷雪と、光線の美しさがあるとすれ....
運命」より 著者:幸田露伴
|増寿は京師に在りて常に燕の為に国情を輸せるも、輝祖独り毅然として正しきに拠る。端厳の性格、敬虔の行為、良将とのみ云わんや、有道の君子というべきなり。 兵部尚....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
いえば、誰しも、すぐに観音さま、地蔵さま、阿弥陀さまといったような、いかにも微妙端厳な、やさしい容姿の仏を思い起こします。しかし、仏さまのうちには、不動明王とい....
富貴発跡司志」より 著者:田中貢太郎
人を迎えた。前呵後殿、行列の儀衛は一糸も乱れずに入ってきた。紗燈の光は朝服をした端厳な姿の官人を映しだした。 友仁はすぐこれは城隍祠の府君であると思った。官人....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
位置の取り方が一倍と広く、社殿そのものも、天空高く浄められたる久遠の像と、女神の端厳相を仮現する山の美しさを、十分意図にいれ、裏門からの参詣道を、これに南面させ....
悟浄出世」より 著者:中島敦
、頭に宝珠瓔珞《ほうじゅようらく》を纏《まと》い、頂に肉髻《にくけい》あり、妙相端厳《みょうそうたんげん》、仄《ほの》かに円光《えんこう》を負うておられるは、何....
マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
まず、文章家は彼女が生れたおりから死までが、かくなくてはならぬ人に生れたことを、端厳《たんごん》な筆に綴《つづ》りあわせたであろう。わたしはそうした終りを最初の....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
〇一)「冬すぎて暖来良思」(巻十・一八四四)等の例がある。この歌は、全体の声調は端厳とも謂うべきもので、第二句で、「来るらし」と切って、「らし」と「たり」で伊列....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
い。しかしその前の源右衛門じじいの凌辱に懲りているので、彼女は一生懸命に、努めて端厳の態度で二人に接したに相違ない。それが一方にはなんとなく薄気味悪いようにも感....
地上」より 著者:島田清次郎
上気した。長い間、幾年の間、潜め隠していた冬子の熱情の泉が一斉に全身に溢れ出た。端厳な品位を、一生に一度の熱情の美しさが一斉に内から輝かしたのだ。彼女は俄かに能....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
師三尊の巨大な銅造仏がある。古事記、日本書紀の出来た頃前後の作と思われるが、その端厳にして旺盛な仏徳発揚の力といい、比例均衡の美といい、造型技巧の完璧さといい、....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
た私の書き物に出て来る「死者」の俤が、藤原|南家郎女の目に、阿弥陀仏とも言うべき端厳微妙な姿と現じたと言う空想の拠り所を、聖衆来迎図に出たものだ、と言おうとする....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
い鰌の精霊は、品の低いともがらにはすくえない。 月の光を切々とすくう鰌すくいの端厳さはかつての鏡花散人も見たものだ。 それに、何ぞや、この日の丸は、黒んぼは....