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端山
「端山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
端山の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
その山の紫をもう一度眺め澄してから翁は山に近付いて行った。 山|麓《ふもと》の
端山の千木《ちぎ》たかしる家へ山の祖神の翁は岳神を訪ねた。 一年は過ぎたが不思....
「死者の書」より 著者:折口信夫
の所為だ。其が又、此冴えざえとした月夜をほっとりと、暖かく感じさせて居る。 広い
端山の群った先は、白い砂の光る河原だ。目の下遠く続いた、輝く大佩帯は、石川である....
「山の湯雑記」より 著者:折口信夫
るからの称えである。 白布の高湯は、少し前がつまって居るが、其でも、両方から出た
端山間に、遠い朝日嶽など言う山の見える日が多い。見渡しの纏って居て、懐しい感じの....
「書記官」より 著者:川上眉山
りぬ。草苅りの子の一人二人、心豊かに馬を歩ませて、節面白く唄い連れたるが、今しも
端山の裾を登り行きぬ。 荻の湖の波はいと静かなり。嵐の誘う木葉舟の、島隠れ行く....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
創意にやあらん。その例、 嵯峨へ帰る人はいづこの花に暮れし 一行の雁《かり》や
端山に月を印す 朝顔や手拭の端の藍をかこつ 水かれ/″\蓼《たで》かあらぬか蕎麦....
「澪標」より 著者:外村繁
、村山平野に連っている。更に大地は、或は急に、或は援く、再び起伏し、丘陵となり、
端山となり、高原となり、遥かに遠く、雪に覆われた出羽山脈の山山が聳えている。そう....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
こましく歩くことなしに緩々と鷹揚な運びである。それでいて私よりも迅い。 先ず、
端山の楢や櫟などの生い茂った林からはいり始める。林にはどこにも見るような萓や女郎....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
た。男体太郎二山の裾や小田代原方面の紅葉も無論よいが、泉門池の北方で湯元への道が
端山の裾に沿うて緩かに上るあたり、掩いかかる大木の梢から下枝の先に至るまで、鮮か....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
汽車が高田の町に近付いて、後ろに遠ざかり行く此等の山の姿が、梭の如く飛び交う
端山の裾に織り込まれてしまう迄、私達は幾度か窓の外を眺めて、幾度か同じような言葉....