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「端役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

端役の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、この事件の生因は、遠く四十年前にあったのだ。すでにあの男は、その時事件の役割を端役までも定めていたんだぜ」 ディグスビイの意志が怖ろしい呪詛であることは、彼....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
と云えば、これ以上の不思議はないのだが、しかしこの事件ではそれがホンのつまらない端役に過ぎないのだ。では、なぜかと云うと、鐘と死体を繞って推定されるものが、こと....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
においてはバンクロフト、ストロハイム、ヤニングスとかボウエルとか草人とかあるいは端役の老若にも性格そのものの顔を集めることは注意している如くである。また愛好家の....
活動写真」より 著者:淡島寒月
いう写真は、一般にはどうか知らないが、真の活動通はいつも喜ぶものである。 よく端役という事をいうが、活動写真には端役というべきものはないように思われる。どれも....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
触れが変ったようだが……」 「ええ、最近に仮髪師を一人拾いましてな。ちょっとした端役もやりますんで、それに、浅尾為十郎という、ど偉え名をくっつけましたんですが…....
戯作者」より 著者:国枝史郎
合壁年始廻りが出来やした。いや何式服というものは、友達一人持って居れば、それで萬端役立つもので、決して遠慮はいりやせん、借りて済ますが得策でげす」 自分が物で....
俳優倫理」より 著者:岸田国士
なくなりました。経験も古く、技倆も上だというような俳優が、時には脇役を演じ、或は端役に廻る。それが新劇では一応無理なく納っています。所謂スターシステムの弊害を認....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
に暗くない声だと、僕は感じます。 だから、西洋の俳優は、どんな新米でも、どんな端役でも、いっぱし堂々たる声を聞かせ、それが、アンサンブルとして、舞台なりスクリ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
悲劇。浅草の即製品の軽演劇役者とちがって、曾我廼家式に年期を入れているらしく特に端役が揃って芸達者であるが、それだけにストリップとウマの合った軽快なところがない....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ィクションの作法から云うと、分身の一ツが真実を解く暗示であって、暗示の役割の方は端役的で目立たない。他の一方の、つまり暗示のカギで解かれる人物の方は表向きの主役....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
れるところなど、よく心得たものだ、と感服しましたよ。そこに至るまでの筋の立て方や端役の動かし方もうまいな。また、男役の主役陣が登場しての口上も、水際だっていた。....
馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
犬伝』で申しますれば蟇田素藤だの山下|定包だの馬加大記だのであります。第三には「端役の人物」で、大善でもない、大悪でもない、いわゆる平凡の人物でありますが、これ....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
に踏襲したので、里見の天海たる丶大や防禦使の大角まで引っ張り出して幕下でも勤まる端役を振り当てた下ごしらえは大掛りだが、肝腎の合戦は音音が仁田山晋六の船を燔いた....
夜の構図」より 著者:織田作之助
ことを呟いた途端、しかし信吉は急に寂しい表情になった。 舞台での冴子は、持役の端役を痛痛しいまでに必死に稽古していた。 信吉はふと涙が出そうになった。冴子を....
春泥」より 著者:久保田万太郎
へさそい出した。 それはかれにとって久しぶりについた好い役だった。仕出し同然の端役ではあったが眼につく役だった。演りようによってはいくらでも儲けることの出来る....