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端整
「端整〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
端整の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、節穴という節穴は残らず目張りを命ぜられるほどの手きびしさでした。 「お手はず万
端整いましてござります」 やがてのことに、ご奏者番からご老中職へ、ご老中からご....
「食魔」より 著者:岡本かの子
され笊で水を切って部屋のまん中の台俎板の上に置かれた。 素人の家にしては道具万
端整っている料理部屋である。ただ少し手狭なようだ。 若い料理教師の鼈四郎は椅子....
「運命」より 著者:幸田露伴
し、師は同十三年を以て歿す。洪武十五年|呉※の薦を以て太祖に見ゆ。太祖|其の挙止
端整なるを喜びて、皇孫に謂って曰く、此荘士、当に其才を老いしめて以て汝を輔けしめ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ればならないからであった。子弟の教育は年来の彼のこころざしであったが、まだ設備万
端整わなかった。そういう彼は事を好んでこんな奔走をはじめたわけではない。これまで....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
親切を示しながらも、金持ちの子息であって、同じように小説をかいていたとしても、万
端整然たる上流貴公子の生活をしていたのであったら、一葉の感情はどう動いて行っただ....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
をあさる。 いよいよ巴里を去る事を思うと、さすがにおしい気がするよ。 買物万
端整うたら、カンヌの方へ行く。正宗得三郎氏が、僕と同宿になった。正宗君の紹介で、....
「花園の思想」より 著者:横光利一
なかった。彼女は処女を彼に与えた満足な結婚の夜の美しさを回想しているかのように、
端整な青い線をその横顔の上に浮べていた。 二 彼と妻との間には最....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
な冗複な構造――奏鳴曲《ソナタ》や交響曲《シンフォニー》――は、広大精巧な設計や
端整さなどの美に当時あまり敏感でなかったクリストフを、憤激させるのであった。音楽....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
な構えになり、混雑して狭かった店が拡張されて綺麗に片づき、店員の手もふえ、用意万
端整うて立派になりつつあるのを見受けるのである。 けれどもその立派になった店構....
「上海」より 著者:横光利一
の絨氈。――誰も人影の見えない円柱と円柱との隙間の彼方で、押し黙った外人が二人、
端整な姿でダイスをしていた。筒から投げられる骰子ころの音が、森閑とした大理石の間....
「武蔵旅日記」より 著者:山中貞雄
表 格子窓から覗き込んで居る人々。 遊び人甲乙も居る。 S=道場内 用意万
端整えて白倉、悠然と進み出る。団九郎も武蔵に襷鉢巻を結んで貰って中央に現われた。....