竹の皮包み[語句情報] » 竹の皮包み

「竹の皮包み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

竹の皮包みの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
けが芸者と思えるだけで、かんじんの中味はヨークシャ豚の頭に、十銭ぐらいのかしわの竹の皮包みを載っけた恰好だ。そいつが腐りつきそうな秋波を親方に送った序に吾輩をジ....
田舎教師」より 著者:田山花袋
にはたいてい片づいて、蕎麦屋からは蕎麦を持って来る。荻生さんは買って来た大福餅を竹の皮包みから出してほおばる。そこの小路にガタガタと車のはいる音がして、清三と母....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
方の隅にかたまって博奕《ばくち》に夢中なのもありました。真中どころにごろごろして竹の皮包みの餡《あん》ころかなにかを頬張りながら、下卑《げび》た話をしてゲラゲラ....
石狩川」より 著者:本庄陸男
うにぎらぎら光っていた。 甚助はあわてた。まさに不意の襲げきであった。こごんで竹の皮包みをまるめだしたが、そのときぎくッと※《しゃっ》くりがとびだしてしまった....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
して、煮売り屋を叩き起して、これでもなかなか働いて来たのだぜ」 ふところから、竹の皮包みを取り出して開いて見せる。 現われたものは、辛《から》そうに煮〆《に....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
あったと見えて、するめの足を噛りながら、冷酒を茶碗で煽るようなんじゃありません。竹の皮包みから、この陽気じゃ魚の宵越しは出来ん、と云って、焼蒲鉾なんか出して。 ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
の謙蔵がいた。次郎はお祖母さん一人の時の方が工合がいいように思ったが、思いきって竹の皮包みをみんなの前に出した。 「何だえ、それ。」 お祖母さんがたずねた。 ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
★ その翌日、海舟の前にひかえているのは虎之介。今日は珍しく竹の皮包みを持参した形跡がない。その必要がなかったのである。川越へ再出発に一二日....
木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
こにいいものがあります。」 かれは首にかけた雑嚢の口をあけて、新聞紙につつんだ竹の皮包みを取出した。中には海苔巻のすしがたくさんにはいっていた。 「山越しをす....
次郎物語」より 著者:下村湖人
うど十時頃だった。三人はいつものようにお礼の金を置くことも忘れてしまい、渡された竹の皮包みの弁当をぶらさげて、老人のあとについた。 老人の足は矍鑠たるものだっ....
高瀬舟」より 著者:森鴎外
して、周囲は血だらけなのでございます。わたくしはびっくりいたして、手に持っていた竹の皮包みや何かを、そこへおっぽり出して、そばへ行って『どうしたどうした』と申し....
雪柳」より 著者:泉鏡花
伝書」のすき見をした時も炬燵櫓……(下へ行火を入れます)兼帯の机の上に、揚ものの竹の皮包みが転がっていました―― そういった趣で、啖う事は、豆大福から、すしだ....