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「竹格子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

竹格子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
わ》河岸を二つ目の方へ一町ばかり行くと、左官屋と荒物屋との間に挟《はさ》まって、竹格子《たけごうし》の窓のついた、煤だらけの格子戸造りが一軒ある――それがあの神....
「永日小品」より 著者:夏目漱石
て、窓障子《まどしょうじ》を明け放ったものである。その時窓の真下の家《うち》の、竹格子《たけごうし》の奥に若い娘がぼんやり立っている事があった。静かな夕暮などは....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
側《えんがわ》へ腰をかけたりして、勝手な出放題を並べていると、時々向うの芸者屋の竹格子《たけごうし》の窓から、「今日《こんち》は」などと声をかけられたりする。そ....
「草枕」より 著者:夏目漱石
切り落されて、天下は隅《すみ》から隅まで明るい。うららかな春日《はるび》が丸窓の竹格子《たけごうし》を黒く染め抜いた様子を見ると、世の中に不思議と云うものの潜《....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
ら外をのぞくと、一面の星月夜で、土手下の汽車道は死んだように静かである。それでも竹格子《たけごうし》のあいだから鼻を出すくらいにして、暗い所をながめていた。 ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ねて来たのだ」 この押し問答のうちに、入口にむかった肘掛け窓をほそ目にあけて、竹格子のあいだから表を覗いていたらしい一人の男が、大小をさして、草履を突っかけて....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
なかったんだ。二丁がカチと入った時さ。娘を連れて、年配の出方が一人、横手の通の、竹格子だね、中座のは。……扉をツイと押して、出て来て、小さくなって、背後の廊下、....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
なに児童たちはよろこんだかしれない。向うの方に青い樹《き》が五、六本、教室の窓の竹格子にむかって柘榴《ざくろ》の花がまっかだった。両側が土蔵と土蔵で、突当りが塀....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
魂が見る見る自分に乗り移ってくるようにおぼえて、かれは眼をあげて窓のそとを見た。竹格子《たけごうし》を通じて瑠璃《るり》いろの空が笑っている。 小猫の寝すがた....
「藪の鶯」より 著者:三宅花圃
りしだらなくぬぎすてたるこま下駄《げた》も。小町という好み。二階には出窓ありて。竹格子にぬれ手ぬぐいのかかりあるは。下宿屋にもあらず。さりとて学校の外塾には無論....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
のです。 今まで広いところで育ったのに、庭というほどのものもなく、往来に向いた竹格子の窓から、いつも外ばかり眺めていました。目に触れる何もかも珍しくて、飽きる....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
苦界《くがい》十年親のために身を売りたる遊女が絵姿《えすがた》はわれを泣かしむ。竹格子《たけごうし》の窓によりて唯だ茫然《ぼうぜん》と流るる水を眺《なが》むる芸....
「妾宅」より 著者:永井荷風
観察せよ。母家《おもや》から別れたその小さな低い鱗葺《こけらぶき》の屋根といい、竹格子の窓といい、入口《いりくち》の杉戸といい、殊に手を洗う縁先の水鉢《みずばち....
「深川の散歩」より 著者:永井荷風
むような事もなかったので、社会主義の宣伝はまだ深川の裏長屋には達していなかった。竹格子《たけごうし》の窓には朝顔の鉢が置いてあったり、風鈴《ふうりん》の吊された....
「水魔」より 著者:田中貢太郎
往った。路次の中へ路次が通じて迷図のように紛糾した処には、一二年前まで私娼のいた竹格子の附いた小家が雑然と簷を並べていたが、今は皆禁止せられて、僅かに残った家は....