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竹矢来
「竹矢来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
竹矢来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
の刑場で、無残にも磔《はりつけ》に懸けられた。
磔柱《はりつけばしら》は周囲の
竹矢来《たけやらい》の上に、一際《ひときわ》高く十字を描いていた。彼は天を仰ぎな....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
りらしく、すでにもう所司代付きの物々しい一隊が押しかけて、家の周囲にはいかめしく
竹矢来を結い廻し、目ぼしい家財道具はどしどしと表に運び出しながら、しきりと右往左....
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
第三幕 第二幕より数日を経たる十二月の末。香東川原刑場。小石の多い川原に
竹矢来が作られている。かなたに水の枯れた川原がつづき、背景に冬枯れた山が見える。....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
黒な群集の山が待ちかまえて、うごめいていた。 そこには、刑場らしい、かまえも、
竹矢来も、何もなかった。しかし、そこへ近づくと、土匪の表情は、さっと変ってこわば....
「相馬の仇討」より 著者:直木三十五
原町の広場に十間に二十間という杭を打った縄を張った。芝居講談だと悉《ことごと》く
竹矢来を結び廻すが、あれは犯罪人の不穏な連中に対して万一の事を思ったからで、敵討....
「幻術」より 著者:田中貢太郎
かも判らないと云うので、警護の士が厳しく前後を取り囲んでいた。また刑場の四方には
竹矢来を結って、すこしの隙もないようにしてあった。見物人はその周囲に人山を築いて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
宮の鳩と武田菱《たけだびし》との幔幕《まんまく》が張りめぐらされてあり、その外は
竹矢来《たけやらい》でありました。 南の方の真中に両支配の桟敷《さじき》があり....
「梟雄」より 著者:坂口安吾
とする。信長はさらに改良を加え、野戦に特殊な鉄砲陣地を構築する。ザンゴーを掘り、
竹矢来をかまえ、その内側に三段の鉄砲組を構えるのだ。騎兵の突入を防ぐには、ただの....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
十一日、夜八時。房吉は従者二名をしたがえて、薗原村の伊之吉宅に出向いた。庭前には
竹矢来をめぐらして試合場の用意ができていたが、実は
竹矢来の外、屋上や樹上に弓矢鉄....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
である。 天草四郎はここへ籠って、バラックの城をつくり、失われた石垣の代りには
竹矢来や木柵をめぐらした。 幕府軍はその対面の丘に砲台を築いて攻撃した。その大....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
る垢離場から両国の広場にかけて身動きも出来ぬような混雑。 小屋では鼠木戸の前に
竹矢来をゆいまわし、鼠木戸の上の櫓《やぐら》には鳶の者と医者が詰めきっていて怪我....
「かたき討雑感」より 著者:岡本綺堂
されたのもあるらしい。それについて毎々議論の出ることは、ここに一定の場所を定め、
竹矢来などを結いまわして仇討の勝負をさせる。その場合にかたきの方が勝ったらばどう....
「伝通院」より 著者:永井荷風
《じゅんし》の運命に遇わなかったのを憾《うら》み悲しむように見られた。門の前には
竹矢来《たけやらい》が立てられて、本堂|再建《さいこん》の寄附金を書連《かきつら....
「棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
あの池の回りにね、昔はお仕置き場があったんだが、そのお仕置き場の回りにぐるっと
竹矢来を結って……」 何月何日には見せしめのために、火焙りの刑を処すると、近郷....
「深川の唄」より 著者:永井荷風
りか何年間とも知れず永代橋《えいたいばし》の橋普請《はしぶしん》で、近所の往来は
竹矢来《たけやらい》で狭《せば》められ、小石や砂利で車の通れぬほど荒らされていた....