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「竹窓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

竹窓の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
にかく彼も一種の奇峭《きしょう》な性格である。同級の詩人が彼に贈った詩の結句は、竹窓夜静にして韓非《かんぴ》を読むというのであった。人が彼を畏《おそ》れ憚る。そ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ゆすっていた。大きい杉を小楯にして、半七は関戸屋の二階に眼を配っていると、やがて竹窓をめりめりと押し破るような音が低くきこえて、黒い人影が二階の横手にあらわれた....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て来て、猫の細首を打ち落とすと、その首は風呂場へ飛び込みました。見ると、風呂場の竹窓のあいだから一匹の大きい蛇が這い降りようとしている。猫の首はその蛇の喉に啖い....
夢のお七」より 著者:岡本綺堂
雨戸を叩いたが、容易に明けなかった。続いて叩いているうちに、四十前後の男が横手の竹窓を細目にあけた。 「おれは上野から来たのだ。ひと晩泊めてくれ。」と、治三郎は....
人狼」より 著者:岡本綺堂
れあり。つづいて奥へ出入りの古びたる障子。下のかたは折りまわして古びたる壁、低き竹窓。前は竹縁にて、切株の踏み段あり。下のかたの好きところに炉を切りて土瓶をかけ....
」より 著者:岡本綺堂
上のかたには寝室用の狭き一間、それに破れ障子を閉めてあり。下のかたには型ばかりの竹窓あり。炭焼の竈は家の外、上のかたの奥にある心にて、家の左右には杉の大樹、薄な....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
瞬間――思わず手は耳へ行って、五体に雷神のひびきを聞くのであった。 「…………」竹窓のしぶきに顔を濡らしながら、武蔵は恍惚と、見とれていた。 こういう豪雨を見....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ているような相である。 「ここへさえ、火を咥えた鳥が訪れたことがある」 湯殿の竹窓ごしに、あかがねのような夕空を見ながら、正成は思い出していた。 かつて都の....
私本太平記」より 著者:吉川英治
まだ葉ざくらは初々しい。竹窓の内までが、あら壁もむしろも人も、その静かな、さみどりに染まっている。 「…....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
静かな町、旅館も静けき屋造り。小甚別館という。階下の袖部屋つき中広間は、書院窓、竹窓などから、秋草や野菜畑の景ものぞかれ、一方の廊下側の外は、高い煉瓦塀であった....
治郎吉格子」より 著者:吉川英治
ると、突き当りに、藪があった。藪に添って、また長屋がある。 「ここだな」 角の竹窓から、そっと覗いてみると、奥に病人の寝床が見えた。煤けた行燈のわきに、自雷也....
童子」より 著者:室生犀星
る奴のそばに、も一人、たしかに覗いているものがある。」 女はうしろ向きに、次の竹窓を隔てて畳の上に、何かに読みふけっているらしく見えた。 「鳥籠にですか、鳥籠....
大岡越前」より 著者:吉川英治
きへころげ落ちた。 ばりばりッという物音は、逃げ足の早かった大亀が、台所部屋の竹窓を破って、遮二無二、逃げ出そうとしているものだった。 「こいつ」 跳びかか....