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竹箒
「竹箒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
竹箒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
。一《いつ》にも大河、二にも大河。公立|八雲《やくも》小学校の事は大河でなければ
竹箒《たけぼうき》一本買うことも決定《きめ》るわけにゆかぬ次第。校長になってから....
「闇夜の梅」より 著者:三遊亭円朝
くあさ》のこと、兄の玄道《げんどう》が谷中の青雲寺まで法要があって出かけた留守、
竹箒を持って頻《しき》りに庭を掃いていると、表からずっと這入って来た男は年頃三十....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
を掴《つか》んで見せましょう。お手が障った所だけは螫《さ》しましても痛みませぬ、
竹箒《たけぼうき》で引払《ひっぱた》いては八方へ散らばって体中に集《たか》られて....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
し離れてこの光景を眺めると、生々とした毛皮からは白い気の立つのが見える。一方には
竹箒で板の間の血を掃く男がある。蹲踞んで出刃を磨くものもある。寒い日の光は注連を....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
に働く和尚の心は墓地の掃除にまでよく行き届いていた。半蔵はその辺に立てかけてある
竹箒を執って、古い墓石の並んだ前を掃こうとしたが、わずかに落ち散っている赤ちゃけ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ろであった。 「お民、お粂の吾家にいるのも、もうわずかになったね。」 と半蔵が
竹箒を手にしながら言った。 なんと言っても、人|一人の動きだ。娘を無事に送り出....
「家」より 著者:島崎藤村
みた野菜の外に茄子、黄瓜などを作り、垣根には南瓜の蔓を這わせた。ある夕方、三吉が
竹箒を持って、家の門口を掃除したり、草むしりをしたりしていると、そこへ来て風呂敷....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
住は出て往った。掃除の手をつけようもない。女連は長い顔をして居る。彼は憤然として
竹箒押取り、下駄ばきのまゝ床の上に飛び上り、ヤケに塵の雲を立てはじめた。女連も是....
「火星兵団」より 著者:海野十三
なのは、彼らの手足であった。
腕は、えもん竹のように張った肩の両端から、まるで
竹箒をつったように、細いやつがぶらぶらしている。足といえば、これも竹のように細く....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
郎を睨めつけていた。 「どうしたんだね。」と、そこへお浜が掃除をしていたらしく、
竹箒を持ったままやって来た。 「何だか知らねえが、こいつ、お鶴の頬ぺたを、ひどく....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
は墓参をしているというので直ぐその足で墓地へ行って見た。 父は先祖からの墓地を
竹箒を持って掃除していた。 「お父さん一寸休みで帰りました」 「ああ、帰ったか」....
「光は影を」より 著者:岸田国士
ではないか。跫音で、彼女は、顔をあげた。 息づまるような一瞬の後、母の手から、
竹箒がするすると地面にすべり落ちた。 「お母さん」 と、彼は、呼んだつもりであ....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
時でございますから寝る間も何も有りはしません。朝は暗いうちから起きて先ず店の前を
竹箒で掃き、犬の糞などがあっても穢いとも思わず取除けて川へ投げ捨て、掃除をしてし....
「地上」より 著者:島田清次郎
上に散り布いているのを掃き清めて水をうったあとのすがすがしさ。彼がはじめての朝、
竹箒を杖のようにして道側の桜樹を見上げていると彼の足に温かいなつかしい異様な感触....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
若衆はセッセと盤台を洗っていると、小僧は爼板の上の刺身の屑をペロペロ摘みながら、
竹箒の短いので板の間を掃除している。 若衆は盤台を一枚洗い揚げたところで、ふと....