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「竹簀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

竹簀の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
。……あの、茶道具を、これへな。」 と言うと、次の間の――崖の草のすぐ覗く――竹簀子の濡縁に、むこうむきに端居して……いま私の入った時、一度ていねいに、お時誼....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
藍のようであったが、恵進を見て突然に追い迫って来たので、僧は恐れて逃げまわった。竹簀橋まで逃げて来て、そこらの民家へ駈け込むと、男もつづいて追い込んで、僧を捉え....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
薬味箱、だし汁のいれもの、猪口、それに白木の割箸まで、見た目も山家のものらしい。竹簀の上に盛った手打ち蕎麦は、大きな朱ぬりの器にいれたものを膳に積みかさねて出す....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
て行くと、遂に三階の階段を上り切ってしまって、突出床から壁に添うて敷かれてある、竹簀の前で停まっていた。検事は前方の壁面を見上げて思わず声を窒めた。それ迄バラバ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
の女中に、笑いながらそんなことを言っている声がきこえ、濶達な足音が近づいてきて、竹簀茣蓙《たけすござ》を敷いた次の間へ入って来たのが、丸三、佐原屋|清五郎《せい....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
師達のほうへ投掛けると、やがて騒ぎ廻る人びとの中へ迎え込まれて行った。 監督が竹簀へ粘土を入れて持って来た。続いて二人の坑夫が同じように重い竹簀を抱えて来た。....
古事記」より 著者:太安万侶
な葛《かずら》という蔓草の根を臼でついて、その汁の滑《なめ》を取り、その船の中の竹簀《すのこ》に塗つて、蹈めば滑《すべ》つて仆れるように作り、御子はみずから布の....
私本太平記」より 著者:吉川英治
行かれると十四、五歳の童僕が、下にいて、 「お顔を洗い召されるか」 と、そこの竹簀の子へ盥や手拭を供えて、うずくまった。 「ほ。金若だの」 「はい」 「そちだ....