竹籠[語句情報] » 竹籠

「竹籠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

竹籠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
14 斜めに見た造花屋《ぞうかや》の飾り窓。造花は皆竹籠だの、瀬戸物の鉢だのの中に開いている。中でも一番大きいのは左にある鬼百合《お....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、木の上の彼には気がつかないのか、頻《しきり》に何か笑い興じていた。 彼等は皆竹籠を臂《ひじ》にかけている所を見ると、花か木の芽か山独活《やまうど》を摘みに来....
ろまん灯籠」より 著者:太宰治
を打ちました。 「あっちの烏《からす》は、森のやくざ者だよ。」と部屋の隅の大きい竹籠を顎《あご》でしゃくって見せて、「十羽いるんだが、何しろみんな、やくざ者でね....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
前《したまえ》にはひしぎ竹の白黄色のものを敷く。それと同時に、床天井と棚天井とに竹籠編《たけかごあみ》と鏡天井とのごとき対立を見せる。そうして、この床脇の有無が....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
奇の眼を輝かして、ポールの臀をズボンの上から触ってみた。するとそこには、なんだか竹籠のようにガサガサしたものが手にふれた。 「やッ、これは何だ。何を入れているん....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
も定紋付きの麻※で、この一行を出迎えた。道路の入り口にはすでに盛り砂が用意され、竹籠に厚紙を張った消防用の水桶は本陣の門前に据え置かれ、玄関のところには二張の幕....
千鳥」より 著者:鈴木三重吉
れに喋らせてみようかしらと思う。 このあたりはすべて漁師の住居である。赤ん坊を竹籠へ入れて、軒へぶらぶら釣り下げて、時々手を挙げて突きながら、網の破れをかがっ....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
さえ思われる静寂さだった。ある暗い旧家では私の友人の父は、息子からもらったという竹籠を、彼の鼻の脂を朝夕に塗り込んで十年間|磨きつづけて漆の光沢を作ったといって....
次郎物語」より 著者:下村湖人
は、男衆に教わって、天竺針をかけることや、どうけというのは、舌のついた目のあらい竹籠の底の部分に、焼糠をまぜた泥をぬり、それを、この附近によくある溜池の浅いとこ....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
んでいる……… 二人共、そっちの方を眺めている。 文麻呂 田舎娘なのかい? 清原竹籠作りの娘なんだ。年取った父親と二人暮しの貧しい少女さ。……まだ、まるで少女な....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
立たれなかった。いのち懸けの興味であった。寺は度々の地震ですっかり損じてしまい、竹籠のようになっていた。住持の透鱗はじめ僅かばかりの寺の人数は裏の竹藪の中に仮小....
こがらし」より 著者:岩本素白
居たし、又火事の時に雑物を入れて運び出すために、用心籠と称する長持のような大きな竹籠が用意されて居た程であった。 そういう晩秋の或る日、私が独りで外で遊んで居....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
へと雨露を凌ぐに足る様な適当な岩窟や、塚穴などを見付けて臨時の住家とし、笊や箕や竹籠などを造っては、その付近二三里の場所を売って歩く。一と通り得意まわりがすむと....
春泥」より 著者:久保田万太郎
、石油箱だのビール箱だの、石炭を入れる叺だの、鶏を入れるような、大きな、平ッたい竹籠だの、およそ野蛮な、ざッかけない、わびしい感じのするものが堆くそこに積まれて....
自来也の話」より 著者:岡本綺堂
していると、囚人は更に教えた。 「あすこは真昼間ゆくに限ります。あなたの家の人が竹籠へ洗濯物を入れて行って、橋の下で洗っている振りをしながら、窃とその甕を探し出....