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笈摺
「笈摺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
笈摺の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「笑う唖女」より 著者:夢野久作
れて、火を付けたら燃え上りそうである。白木綿に朱印をベタベタと捺《お》した巡礼の
笈摺《おいずり》を素肌に引っかけて、腰から下に色々ボロ布片《きれ》を継合わせた垢....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
の笠を買うて来て、法達に頼んで同行二人と書いて呉れえとか、それから白の脚半も拵え
笈摺も拵えたから、何でも西国巡礼にでも出るという様子でなア」 萬「へえそれは/\....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
か」 「はい」 お松の姿は、三度変っている。第一は大菩薩峠の頂で猿と闘った時の
笈摺《おいずる》の姿、第二は神尾の邸に侍女《こしもと》をしていた時の御守殿風《ご....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
《かお》を視て、莞爾《にッこり》して行って了った。 向うから順礼の親子が来る。
笈摺《おいずる》も古ぼけて、旅窶《たびやつ》れのした風で、白の脚絆《きゃはん》も....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
注連結いたる半弓に矢を取添え、狐は腰に一口の太刀を佩く。 中に荒縄の太いので、
笈摺めかいて、灯した角行燈を荷ったのは天狗である。が、これは、勇しき男の獅子舞、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しゃいますか」 その声は、お雪に違いありませんが、その姿は、純白な笠に、純白の
笈摺《おいずる》に、そうして銀のような柄杓《ひしゃく》を携えた巡礼姿であります。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
り道中の雨露を凌《しの》いで来たと見られる手甲脚絆《てっこうきゃはん》をつけて、
笈摺《おいずる》のようなちゃんちゃんこを着て、そうして、草鞋《わらじ》がけで竹の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が、さて、自分の身はと顧みると、髪はたばねて後ろへ垂らし、白羽二重の小袖を着て、
笈摺《おいずる》をかけて、足はかいがいしく草鞋《わらじ》で結んでいることに気がつ....
「山の別荘の少年」より 著者:豊島与志雄
、まだ三十歳ばかりの女で、菅笠《すげがさ》、手甲《てっこう》、脚絆《きゃはん》、
笈摺《おいずる》、みなさっぱりしたみなりでしたが、胸に赤ん坊をだいていました。お....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
のでありましょうな」 これも単なる問わず語りのように、こう呟いた人物があった。
笈摺を背負った六部であった。と、その側に彳んでいた、博徒のような男が云った。「迫....