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笑いさざめく
「笑いさざめく〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
笑いさざめくの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「懶惰の歌留多」より 著者:太宰治
火、と魂《たましい》消《け》しましたぞ、などと相かえり見て言って、またひとしきり
笑いさざめくのである。私は、冷いにごり酒を二、三杯のまされ、そうして、かれらの句....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
ほかの女たちも来た。お染も来た。坂田はいつものように陽気に飲んで騒ぎ立てた。その
笑いさざめく座敷の中で、お染はやはり俯向いていろいろのことを考えつめていた。 ....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
ゃ。鼓はわしが打とうぞ。 (若衆たちと一緒に、弥五七道化たる身振りにて舞う。皆
笑いさざめくうちに、舞台回る) 第二場 宗清の離座敷。左....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
ゆはん》の後は奥様と御対座《おさしむかい》、それは一日のうちでも一番楽しい時で、
笑いさざめく御声が御部屋から泄《も》れて、耳を嬲《なぶ》るように炉辺までも聞える....
「彼は誰を殺したか」より 著者:浜尾四郎
彼がいなくなると彼等は一層仲よく弾いてるような気がした。 いや、楽器をおいて、
笑いさざめく声がよく聞えた。そうして弾きはじめると音楽は一層幸福そうにひびいて来....
「一粒の粟」より 著者:宮本百合子
り。音楽の賑う旅舎の樹蔭の低い石垣。その角から三つ目の石の上に、まあ沢山。群れて
笑いさざめく彼等、男の声、女の声。目の前を走る自動車が、四辺かまわずムッと跳上げ....
「千世子(二)」より 著者:宮本百合子
げにも又いかばかり偉大な音楽家の韻律のかげにもたとえ表面《うわべ》は舞い狂う――
笑いさざめく華《はなや》かさがあってもその見えない影にひそむ尊い悲しみが人の心を....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
な避暑館 同 (イ)、新年宴会か何ぞの光景で、大花瓶を前の知事夫人を中心に
笑いさざめく福引の興。 (ロ)は山荘がかった避暑館へ傭われた水汲女が急な門坂を....
「文づかい」より 著者:森鴎外
わめて魁偉なるは、国務大臣ファブリイス伯なりき。 夕暮に城にかえれば、少女らの
笑いさざめく声、石門の外まで聞ゆ。車とどむるところへ、はや馴れたる末の姫走り来て....
「書記官」より 著者:川上眉山
図として、運び出づる杯盤の料理は善四郎が念入りの庖丁、献酬いまだ半ばならず早くも
笑いさざめく声々を、よそに聞きて光代は口惜しげに涙ぐみぬ。座敷の急がしさに取り紛....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
ぶかい人情をもった小意気な世帯だったにちがいない。 そうした家から、夜をひと夜
笑いさざめく声とともに(断っておくが、世に、落語家のお通夜ほどバカバカしく、おも....
「炎の人――ゴッホ小伝――」より 著者:三好十郎
緑の草が繁り、野良着を着て色とりどりの帽子をかぶった洗濯女の一群がいる。女たちの
笑いさざめく声が川面にひろがり、橋を渡る馬車のわだちの音がガラガラと鳴り、それら....
「寄席行灯」より 著者:正岡容
桟敷にいて、よけい、「東京」らしい華やかさに濡れそぼけていた。若い女たちが嬉々と
笑いさざめく時、高座では青い狐の憑いたような万橘《まんきつ》がきっと、あの甲高い....
「樹氷」より 著者:三好十郎
長さんが居たって配慮するこたあねえ。さあ、飲め飲め。お豊、酌しろ。 生徒たちが
笑いさざめく声。 壮六 (金吾に)金吾、お前も何とか一言挨拶しろい。 金吾 そ....