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笑わす
「笑わす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
笑わすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
俺の策略にかかって、すっかり面皮《つらのかわ》を剥がれてしまったと、仲間をどっと
笑わすことだろう。そう思うと柿江は自分というものがめちゃくちゃになってしまったの....
「若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
いて、肩で呼吸《いき》をする。 成吉思汗《ジンギスカン》 面白くもない。姫を
笑わすどころか、こら、見ろ、ますます沈んでしまったじゃないか。見苦しい奴だ。あっ....
「旅愁」より 著者:横光利一
らそれへと独り喋りつづけた。友達のこととか親戚のこと、隣家の女中の噂などと、人を
笑わすことの巧みな幸子の話を聞きつつも、矢代は、この妹のいる前ではやはり今夜も駄....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
にいえど、いわゆるその愚は及ぶべからずで、わざと痴《たわ》けた風をして見せ、人を
笑わすような滑稽智に富む由、ウッドは言った。メッカでは驢を愛育飼養するにもっとも....
「繊細な美の観賞と云う事について」より 著者:宮本百合子
何事につけても柔かくシンナリとあつかって呉れる母親と同じ様に、この美は我々の心を
笑わす事も涙をこぼさせる事も出来る力を持って居ると云う事を私は信じ私に対してはま....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
した。
うれしくてハアハア笑うというのいい心持よ。そして、私を十六日にそんなに
笑わすなんて、なかなか味なことです。拈華微笑《ねんげみしょう》的微笑もおのずと口....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ィー・クールがしているように、偉人を貶《けな》して公衆の下劣さに媚《こ》び愚衆を
笑わすることだけを、その批評の眼目とすること、その両者はまったく別事であった。つ....
「北村透谷の短き一生」より 著者:島崎藤村
あったが、一方には又磊落な、飄逸な処があって、皮肉も云えば、冗談も云って、友達を
笑わすような、面白い処もあった。前に出版した透谷集の方には写真を出し、後に出した....
「昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
っている執拗さがあった。 「いや、お言葉はありがたく頂戴しまっけど、どうも、人を
笑わすいう気になれまへんので……」 赤井がそう断ると、傍で聴いていた白崎はいき....
「初看板」より 著者:正岡容
に積んでいて陰気至極だったんだ。 それだけに脇の下をくすぐって無理にお客さまを
笑わすようなケレンは露いささかかももちあわせていなかったから、師匠燕枝はじめ、死....
「廃墟(一幕)」より 著者:三好十郎
さんの、やさしい、そして弱い所が大兄さんを引きつけたのよ。 欣二 へっ! ヘヘ、
笑わすなよ。お前に何がわかる!(もうかなり前に、それまで背後の窓を明るくしていた....
「樹氷」より 著者:三好十郎
へ、こんちは。俺はこの春子さまの知り合でがして―― 古賀 春子さま? なんだ、
笑わすなよ、へへへ。 助三 なんだい、この男? もしかするとなんじゃないかえ、事....
「三国志」より 著者:吉川英治
こんどは心服するほかあるまい」 いうと、彼は、捨鉢ぎみになって、 「心服だと。
笑わすな。おれはいつ汝に縛られたか。おれの縄目はおれの仲間の裏切者がかけたのだ」....
「三国志」より 著者:吉川英治
ほどな悪党は蜀にはいない筈だ。日頃を悔いて自ら首を、霊車に供え奉りに来たか」 「
笑わすな、姜維」 魏延は、唾して軽くあしらった。 「まず、楊儀を出せ、楊儀から....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
いる。来れば人の及びもつかぬ珍かな音物を携え、召使にも愛想をこぼし、わけて登子を
笑わすことに妙をえていた。で、大蔵の家中誰でも、彼を目すに、 「華やかで、いつも....