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笑声
「笑声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
笑声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
す事はございますまい。」
すると若殿様はまた元のように、冴々《さえざえ》した御
笑声《おわらいごえ》で、
「いや、何とも申されぬ。現に延喜《えんぎ》の御門《みか....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
べ立てている中に、誰からともなくくすくす笑い出した。ただ、それがいつもの哄然たる
笑声に変らなかったのは、先生の見すぼらしい服装と金切声《かなきりごえ》をあげて饒....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
った。
舞台の悪ふざけが加わる度に、蓆敷《むしろじき》の上の看客からは、何度も
笑声《しょうせい》が立ち昇《のぼ》った。いや、その後《うしろ》の将校たちも、大部....
「運」より 著者:芥川竜之介
めた藍の水干《すいかん》の袖口を、ちょいとひっぱりながら、こんな事を云う。翁は、
笑声を鼻から抜いて、またゆっくり話しつづけた。後《うしろ》の竹籔では、頻《しきり....
「星座」より 著者:有島武郎
う。サムソンというんだ」
綺麗な疳高《かんだか》い、少し野趣《やしゅ》を帯びた
笑声が弾《はじ》けるように響いた。皆んながおたけの方を見た。人見がこごみ加減に何....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
「旦那いかがでございます。えへへ、」と、かんてらの灯の蔭から、気味の悪い唐突の
笑声は、当露店の亭主で、目を細うして、額で睨んで、 「大分御意に召しましたようで....
「聖書」より 著者:生田春月
は「遠慮したもうなよ」とまでは勧めなかった。下へおりると、奥の方で賑かな女の人の
笑声がした。門を出ようとして、横の方を見ると台所の窓のところから、例の女中さんの....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
列なのが、廻って、くるくると巴に附着いて、開いて、くるりと輪に踊る。花やかな娘の
笑声が、夜の底に響いて、また、くるりと廻って、手が流れて、褄が飜る。足腰が、水馬....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
て憎いやつの――」 相当の役者と見える。声が玄関までよく通って、その間に見物の
笑声が、どッと響いた。 「さあ、こちらへどうぞ、」 「憚り様。」 階子段は広い....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
いずれ界隈の怠惰ものと見たばかり。小次郎法師は、別に心にも留めなかったが、不意の
笑声に一驚を吃して、和郎の顔と、折敷の団子を見|較べた。 「串戯ではない、お婆さ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
方で入るのだから。……ねえ、女房さん、そんなものじゃありませんかね。」 とちと
笑声が交って聞えた。 女房は、これも現下の博多節に、うっかり気を取られて、釜前....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
灯がさして、三味線太鼓の音がする。時々どっと山颪に誘われて、物凄いような多人数の
笑声がするね。 何ッて、母親の懐で寝ながら聞くと、これは笑っているばかり。父親....
「橋」より 著者:池谷信三郎
彼は絶間ない幻聴に襲われた。幻聴の中では、彼の誠意を嗤うシイカの蝙蝠のような
笑声を聞いた。かと思うと、何か悶々として彼に訴える、清らかな哀音を耳にした。 ....
「多神教」より 著者:泉鏡花
て、蘆毛の鼻頭を軽く拊つ)何だい、お前まで。(駒、高嘶きす)〔――この時、看客の
笑声あるいは静まらん。然らんには、この戯曲なかば成功たるべし。〕――お沢さん、疲....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
が、耐りかねたか、ふふと笑った。青年の茫然拍子抜のした顔を上げた時、奥の方で女の
笑声。 此方は面を赤うして、手拭を持った手を額にあて、 「これはどうも、手前|....