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笠置
「笠置〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
笠置の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
」と云いました。と、すぐに白犬は、
「わん、わん、御妹《おいもとご》様の御姫様は
笠置山《かさぎやま》の洞穴《ほらあな》に棲《す》んでいる土蜘蛛《つちぐも》の虜《....
「一灯」より 著者:太宰治
大君の辺《へ》にこそ、とは日本のひと全部の、ひそかな祈願の筈である。さして行く
笠置《かさぎ》の山、と仰《おお》せられては、藤原季房ならずとも、泣き伏すにきまっ....
「鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
姓、足軽、人足合せて二十人、奈良|般若寺《はんにゃじ》口から坂道を登り木津から、
笠置を経て、
笠置街道を進む。六日の午後の二時に島ヶ原へ入った。日足の早い冬、次の....
「乱世」より 著者:菊池寛
という、七日の午後であった。 同心の宇多熊太郎という男が、戦場から道を迷って、
笠置を越え、伊賀街道を故郷へと馳せ帰って来たのである。 一藩は、愕然とした。愕....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
行われて居たから、正成は天皇と同系統の学問をして居たことになる。南柯の夢で正成を
笠置に召し出したのが奉公の最初であるとする、『太平記』の説はさて措き、早くからこ....
「狂乱」より 著者:近松秋江
あると思うと、それを中止するのも何だか心残りである。そう思って、大河原駅からまた
笠置、加茂と三つ手前の駅まで引き返して戻った。そして、加茂駅に下車して停車場の出....
「古典竜頭蛇尾」より 著者:太宰治
むらさき野。島は、浮島、八十島。浜は、長浜。浦は、生の浦、和歌の浦。寺は、壺坂、
笠置、法輪。森は、忍の森、仮寝の森、立聞の森。関は、なこそ、白川。古典ではないが....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
よりも、踊り子の芸を考えてみることである。 先般、文藝春秋だかに、メリー松原と
笠置山の対談があって、メリーさん曰く、肉体が衰えてはいけないから情事をつつしまね....
「赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
それに人数は僅か五百余人だ。然るに寄手の勢と来ては、二十万人に余るだろう。それも
笠置を落城させて、意気軒昂たる者共だ。しかも長期の策を執り、この城を遠征めにしよ....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
壺坂に出た男の人はみな原さんたちパレスの役員で、「買い物競争」には場内の電蓄から
笠置シヅ子の「買物ブギ」の※おっさんおっさんこれなんぼ――の唄が軽快に流れてきた....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
の形動物に似たるものあるは奇景なり。山野に大岩山の自然に並立せるありさまは、わが
笠置山に似たり。 一帯峰巒繞。 (この地一帯の峰々はみどり色の湾をめぐり、風もお....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
とする説が出た。余りに、山奥すぎて、糧道の難すらあるというのである。 「さらば、
笠置へ。……幸い、
笠置は、この聖尋のあずかる管下の寺でもござりますれば」 と、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
|破竹の勢いをみせ、またたくまに備中、安芸のあたりは、その配下かとみえましたが、
笠置、赤坂の落城がきこえて、部下は離散し、茲俊は同国一ノ宮にて、それこそは紛れな....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
内部の紛争やら犠牲者も出たりして、一時はここが武力の発火点にもなりそうだったが、
笠置、赤坂の一|挙のため、かえって、鎌倉は逆にかたまったといえる現状になっていた....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
切なものであったように今にいたるまで印象づけられている。 『日本外史』を読んで、
笠置の山の行宮の御夢に、二人の童子が現われて楠の樹の下を指ざし、爰ばかりがせめて....