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笥
「笥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
笥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
シアルではないらしい。
「これは？」
新婚後まだ何日も経たない房子は、西洋｜箪
笥《たんす》の前に佇《たたず》んだまま、卓子《テーブル》越しに夫へ笑顔《えがお》....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
来た夏帽子だった。「もう新しいのに換えて置きました」妻はそう答えた後《のち》、箪
笥《たんす》の上の鏡を覗《のぞ》き、ちょいと襟もとを掻《か》き合せた。自分は彼等....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
階の部屋は中央に据えたテエブルは勿論、椅子《いす》も、唾壺《たんつぼ》も、衣裳箪
笥《いしょうだんす》も、上海や漢口《かんこう》の妓館にあるのと殆《ほとん》ど変り....
「葱」より 著者:芥川竜之介
などは、唯一の一冊も見当らない。それからその机の側にある、とうにニスの剥げた茶箪
笥《ちゃだんす》の上には、頸《くび》の細い硝子《ガラス》の花立てがあって、花びら....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
か？」
「何、用って云った所が、ただ明日《あした》工場《こうば》へ行くんなら、箪
笥《たんす》の上の抽斗《ひきだし》に単衣物《ひとえもの》があるって云うだけなんだ....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
いる男である。鼠を入れて置く嚢《ふくろ》が一つ、衣装や仮面《めん》をしまって置く
笥《はこ》が一つ、それから、舞台の役をする小さな屋台のような物が一つ――そのほか....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
れは唯《ただ》如何に幸福に絶望するかと云うことのみである。
「家《いへ》にあれば
笥《け》にもる飯《いひ》を草まくら旅にしあれば椎の葉にもる」とは行旅の情をうたっ....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
悪いさ。」
夫はタイを結びながら、鏡の中のたね子に返事をした。もっともそれは箪
笥《たんす》の上に立てた鏡に映っていた関係上、たね子よりもむしろたね子の眉《まゆ....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
い昔のことを、――僕の母と結婚した当時のことを話し出した。それは僕の母と二人で箪
笥《たんす》を買いに出かけたとか、鮨《すし》をとって食ったとか云う、瑣末《さまつ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
ず》して、菓子折、サイダア、砂糖袋、玉子の折などの到来物が、ずらりと並んでいる箪
笥《たんす》の下に、大柄な、切髪の、鼻が低い、口の大きな、青ん膨《ぶく》れに膨れ....
「或る女」より 著者:有島武郎
。叔母は空々《そらぞら》しく気の毒だとかすまないとかいい続けながら錠をおろした箪
笥《たんす》を一々あけさせて、いろいろと勝手に好みをいった末に、りゅうとした一揃....
「或る女」より 著者:有島武郎
堅そうな桜炭の火が白い被衣《かつぎ》の下でほんのりと赤らんでいるのも、精巧な用箪
笥《ようだんす》のはめ込まれた一｜間《けん》の壁に続いた器用な三尺床に、白菊をさ....
「僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
そばにいるのに少しも気がつかないらしく、おかあさんは僕の名を呼びつづけながら、箪
笥《たんす》の引出しを一生懸命に尋《たず》ねていらっしゃるし、おとうさんは涙で曇....
「星座」より 著者:有島武郎
らも眠が冴《さ》えるばかりだった。
おぬいはとうとうそっと起き上った。そして箪
笥《たんす》の上に飾ってある父の写真を取って床に帰った。父がまだ達者だったころの....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
うに用心して、かけにくい背中のボタンをかけたりした。そしていつもの習慣通りに小箪
笥の引出しから頸飾と指輪との入れてある小箱を取出したが、それはこの際になって何ん....