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「第一声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

第一声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
として一部の間に認められているごとく、樗牛《ちょぎゅう》の個人主義がすなわちその第一声であった。(そうしてその際においても、我々はまだかの既成強権に対して第二者....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
全客をあつめたと思われるほどの、黒山の人を相手に滔々と言いはじめたのである。その第一声が、まず人々に動揺をおこさせた。 「ところで、その新礦地があるのは、“|....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
えっ、あんたがあの、探検屋折竹※」 とこれが、折竹にひき合わされたおのぶサンの第一声。サーカスにいるだけにズケズケと言う。悪口、諧謔、駄洒落連発のおのぶサンは....
疑問と空想」より 著者:寺田寅彦
いことには「テッペンカケタカ」と一回鳴くに要する時間がほぼ二秒程度である。それで第一声の前半の反響がほぼその第一声の後半と重なり合って鳥の耳に到着する勘定である....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
まで黙っていればいいんだ」という父親との約束を頼みにした。 一畑治明博士の帰国第一声講演及び心霊実験会――という予告が、心霊学会の会員に行きわたり、会員たちを....
火星兵団」より 著者:海野十三
いでたらめであるとして、眉をひそめていたのである。 「火星兵団」に関する老博士の第一声は、今から一カ月ほど前、事もあろうに、放送局のマイクロホンから、日本全国に....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
藤左千夫がそう云っている。実際、万葉の此歌に較べると実朝の歌が見劣りのするのは、第一声調がこの歌ほど緊張していないからであった。この歌は、「白木綿花(神に捧げる....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
。見れば見るほどブルブルするばかり、なか/\喋ることができない。 「お名前は?」第一声。まづこれ以上は喋られない。娘はギクリと顔をあげたが、にはかにポッと上気し....
足のない男と首のない男」より 著者:坂口安吾
まり落付なくハシャイでゐるから国民学校の子供かなと思ふけれども、やつぱり大人で、第一声がジャングルの声だ。ボルネオの子供かなと人が思つたりするので、近頃郡山が鼻....
岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
しょうか?」 「馬鹿なことを云うな、解るものか。あんなに無暗と啼き立てられては、第一声が通りゃアしない」 「何故集まって来るのでしょうか?」 「俺が毎日餌をやる....
次郎物語」より 著者:下村湖人
十分ぐらいはかかっていた。次郎が、これまで毎朝、空林庵の寝ざめに親しんで来た雀の第一声がきこえるのは、ほぼその時刻だったのである。 朝の行事は、まず室内体操に....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
れが叱られる」 「よかろう。勝手に叱られるさ」 「おれが困るよ。だから頼む。……第一声が透り過ぎらあ。洞間声っていう奴だからな」 「洞間声だって? こいつは助か....
南国太平記」より 著者:直木三十五
になったのだ。それに、今日、その奸悪を、猶座右に、重宝視するなど、斉彬公御帰国の第一声として、わしは、彼奴らを除くことを、まず、進言したいのだ」 「それで、いろ....
印度の詩人」より 著者:国枝史郎
を日本中へ紹介したのは大阪朝日新聞社で、天王寺の公会堂で、タゴールの初御目見得と第一声とを発表した。その時わたしは同社の若い記者として、時の社会部長の長谷川|如....
四十年前」より 著者:内田魯庵
たかも鬼ガ島の宝物を満載して帰る桃太郎の舟のように歓迎された。これ実に新興文芸の第一声であって、天下の青年は翕然として文学の冒険に志ざした。 当時の記憶は綿々....