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「第六天〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

第六天の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:芥川竜之介
ないか? もしあの時空腹のまま、畢波羅樹下《ひっぱらじゅか》に坐っていられたら、第六天の魔王|波旬《はじゅん》は、三人の魔女なぞを遣《つかわ》すよりも、六牙象王....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に幸次郎が来た。 「お角の居どころは知れました。浅草の茅町《かやちょう》一丁目、第六天の門前に小さい駄菓子屋があります。おそよという婆さんと、お花という十三四の....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は、まあ斯うです」と、老人は語り始めた。「林泉寺は茗荷谷ですが、それから遠くない第六天|町に高源寺という浄土の寺がありました。高源寺か高厳寺か、ちょっと忘れてし....
丹下左膳」より 著者:林不忘
言って、相手を見た。 相手というのは。 対馬守入府の通知を受けて、いま小石川第六天の自邸から、打ちあわせに来た別所信濃守です。 賄賂《わいろ》の出し方が少....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
翼も持たぬ。破傘の尻端折、下駄をつまんだ素跣足が、茗荷谷を真黒に、切支丹坂下から第六天をまっしぐら。中の橋へ出て、牛込へ潜込んだ、が、ああ、後れた。料理屋の玄関....
花の咲く比」より 著者:田中貢太郎
者らしいなと思った。侍は聞いてみた。 「何方かお探しになっておりますか」 「私は第六天坂の下に叔母がいると云うことを聞きまして、尋ねてまいった者でございますが、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うちに――もうかなりの夜更けであります。遽《にわ》かに人の叫ぶ声があって、たしか第六天の前、それとも柳橋の袂《たもと》あたりの空気が、ヒヤリと振動したのが、ここ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
裏口から抜け出て行った。 うらは別の露地へひらいて、右へ切れてまっすぐに行けば第六天|篠塚稲荷《しのづかいなり》のまえへ出る。 軒づたいにそこまで逃げのびた....
丹下左膳」より 著者:林不忘
から、まずどっちものがれることができるだろうと、どこでもそう思っていると、小石川第六天の別所信濃守《べっしょしなののかみ》の門を、柳生家の提灯が一つ、飛びこんで....
日和下駄」より 著者:永井荷風
とであろう。小石川|水道端《すいどうばた》なる往来《おうらい》の真中に立っている第六天《だいろくてん》の祠《ほこら》の側《そば》、また柳原通《やなぎわらどおり》....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
円満の仏陀の姿を見たいものだが、さてどういう方法にしたら見られるか知らん。聞けば第六天の魔王は仏陀世尊在世の時に、その真実の相好をたびたび拝したという事であるか....
俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
の枯蘆も浸り、折れて地に垂れている尾花の先も浸るような光景であります。 鐘冴ゆる第六天をもどりけり 今日の新聞は徳川慶喜公の薨去を報じています。徳川公の本邸は....