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第宅
「第宅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
第宅の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
う外《ほか》はありません。私は取る物も取りあえず、金※《きんしょう》にある王氏の
第宅《ていたく》へ、秋山を見に出かけて行きました。
今でもはっきり覚えています....
「安井夫人」より 著者:森鴎外
の報酬には何物をも要求しなかった。ただに服飾の粗に甘んじたばかりではない。立派な
第宅《ていたく》におりたいとも言わず、結構な調度を使いたいとも言わず、うまい物を....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
女侠 唐の貞元年中、博陵の崔慎思が進士に挙げられて上京したが、京に然るべき
第宅がないので、他人の別室を借りていた。家主は別の母屋に住んでいたが、男らしい者....
「愛卿伝」より 著者:田中貢太郎
からあがって往った。 嘉興の城内は、到る処に破壊の痕を止めていた。見覚えのある
第宅が無くなっていたり、
第宅はあっても住んでいる人が変っていたりした。趙は自分の....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
隠居|信順を柳島の下屋敷に慰問し、次いで本所二つ目の上屋敷に往った。信順は柳島の
第宅が破損したので、後に浜町の中屋敷に移った。当主|順承は弘前にいて、上屋敷には....
「促織」より 著者:田中貢太郎
。撫軍もまた成に手厚い贈物をしたので、数年にならないうちに田が百頃、御殿のような
第宅、牛馬羊の家畜も千疋位ずつできた。で、他出する際には衣服や乗物が旧家の人のようであった。....
「武蔵野」より 著者:山田美妙
しい両眼で月を睨みながら宿鳥を引き裂いて生血をぽたぽた…… 崖下にある一構えの
第宅は郷士の住処と見え、よほど古びてはいるが、骨太く粧飾少く、夕顔の干物を衣物と....
「雁」より 著者:森鴎外
りも歩いた時、僕は左手に並んでいる二階造の家を見て、「ここが桜痴先生と末造君との
第宅だ」と独語のように云った。 「妙な対照のようだが、桜痴居士も余り廉潔じゃない....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
尊良親王・宗良親王・懐良親王・北畠親房・北畠|顕家みなそうであった。だから京都の
第宅に遊園を愉しむ生活に比べれば、すこぶる荒涼として、艱難辛苦の状は想像に余りが....
「三国志」より 著者:吉川英治
じゃないか」 「そのことか」 「百姓がしたいなら、楼桑村へ帰りゃあいい。何も都に
第宅を構え左将軍なんていう官職はいるまい。肥桶をかつぐに、われわれ兵隊などもいら....
「三国志」より 著者:吉川英治
に悲鳴して逃げまどう婦女老幼のみじめさを。――かかるとき、なお毅然としてある都門
第宅の輪奐の美も、あらゆる高貴を尊ぶ文化も、日頃の理論や机上の文章も、ついに何の....