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笹
「笹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
笹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
これは孝子伝吉の父の仇《あだ》を打った話である。
伝吉は信州《しんしゅう》水内郡《みのちごおり》
笹山《ささやま》村の百姓の一人息子《ひとりむすこ》である。伝吉の父は伝三と云い、....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
みずばれ》の跡を加えたようでございます。が、横なぐりに打ち下した竹馬が、まだ青い
笹の葉に落花を掃《はら》ったと思うが早いか、いきなり大地《だいち》にどうと倒れた....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
。彼女の頸に垂れた玉は、何度も霰《あられ》のように響き合った。彼女の手にとった小
笹の枝は、縦横に風を打ちまわった。しかもその露《あら》わにした胸! 赤い篝火《か....
「河童」より 著者:芥川竜之介
え、いっそ登ってしまえ。」――僕はこう考えましたから、梓川の谷を離れないように熊
笹《くまざさ》の中を分けてゆきました。
しかし僕の目をさえぎるものはやはり深い....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
かも僕は咄嗟《とっさ》の間《あいだ》にK君の「新時代」を発見した。それは砂止めの
笹垣《ささがき》を後ろに海を眺めている男女だった。尤《もっと》も薄いインバネスに....
「白」より 著者:芥川竜之介
の屋根が見えると、一声《ひとこえ》嬉しそうに吠《ほ》えたきり、もう一度もと来た熊
笹《くまざさ》の中へ姿を隠してしまったと云う。一行は皆この犬が来たのは神明《しん....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
を物静な水に映していた。藪木《やぶき》の交《まじ》る針金雀花《はりえにしだ》、熊
笹の中から飛び立つ雉子《きぎす》、それから深い谷川の水光りを乱す鮎《あゆ》の群、....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
す。が、その嘘のうまい事は、わたしでも褒《ほ》めずにはいられません。わたしはあの
笹葺《ささぶき》の小屋に、俊寛様が子供たちと、御戯《おたわむ》れになる所を聞けば....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
す。」
夫はこの言葉を聞いた時、やっと唇《くちびる》を動かしました。勿論口には
笹の落葉が、一ぱいにつまっていますから、声は少しも聞えません。が、わたしはそれを....
「槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
《こけ》の間に鷺草《さぎぐさ》のような小さな紫の花がさいていたのは知っている。熊
笹《くまざさ》の折りかさなった中に兎《うさぎ》の糞《ふん》の白くころがっていたの....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
とう小径伝いに玄関《げんかん》の前の広場へ出た。そこには戦利品の大砲が二門、松や
笹の中に並んでいる。ちょいと砲身に耳を当てて見たら、何だか息の通る音がした。大砲....
「或る女」より 著者:有島武郎
まだしなかった試みを加えようとして、模様の周囲に藍と白とを組み合わせにした小さな
笹縁《ささべり》のようなものを浮き上げて編み込んだり、ひどく伸び縮みがして模様が....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
しいように想像された。
とうとう播種時《たねまきどき》が来た。山火事で焼けた熊
笹《くまざさ》の葉が真黒にこげて奇跡の護符のように何所《どこ》からともなく降って....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
いるような感じがします。ここから見渡すことのできる一面の土地は、丈《た》け高い熊
笹《くまざさ》と雑草の生い茂った密林でした。それが私の父がこの土地の貸し下げを北....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
屋の表には、切った髷を幾つも吊してあったのは奇観だった。 また一時七夕の飾物の
笹が大流行で、その
笹に大きいものを結び付けることが流行り、吹流しだとか、一間もあ....