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筆
「筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
見た所、二十《はたち》を越えてもいないらしい。それが壁へ貼った鏡を後に、絶えず鉛
筆を動かしながら、忙《せわ》しそうにビルを書いている。額の捲《ま》き毛、かすかな....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
いました。彼等が手本にしていたのは、皆支那人の墨蹟《ぼくせき》です。しかし彼等の
筆先《ふでさき》からは、次第に新しい美が生れました。彼等の文字はいつのまにか、王....
「河童」より 著者:芥川竜之介
。……
僕はこういう彼の話をかなり正確に写したつもりである。もしまただれか僕の
筆記に飽き足りない人があるとすれば、東京市外××村のS精神病院を尋ねてみるがよい....
「彼」より 著者:芥川竜之介
いたであろう。しかし僕の記憶には生憎《あいにく》本のことは残っていない。ただ僕は
筆立ての中に孔雀《くじゃく》の羽根が二本ばかり鮮《あざや》かに挿《さ》してあった....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
》で暗打ちに遇《あ》った。平太郎は知行《ちぎょう》二百石の側役《そばやく》で、算
筆《さんぴつ》に達した老人であったが、平生《へいぜい》の行状から推して見ても、恨....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ましたよ。」
忠左衛門は、煙にむせて、苦しそうに笑った。すると、頻《しきり》に
筆を走らせていた小野寺十内が、何かと思った気色《けしき》で、ちょいと顔をあげたが....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
あとは口笛を鳴らし始めた。
その間に洋一は、そこにあった頼信紙へ、せっせと万年
筆を動かしていた。ある地方の高等学校へ、去年の秋入学した兄、――彼よりも色の黒い....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
ある婦人雑誌社の面会室。
主
筆 でっぷり肥《ふと》った四《し》十前後の紳士《しんし》。
堀川保吉《ほりかわ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
り出した。この時の俺の心もちは恐怖と言うか、驚愕《きょうがく》と言うか、とうてい
筆舌《ひつぜつ》に尽すことは出来ない。俺は徒《いたず》らに一足でも前へ出ようと努....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
して見ました。すると果して紙切れの上には、妙子が書いたのに違いない、消えそうな鉛
筆の跡があります。 「遠藤サン。コノ家ノオ婆サンハ、恐シイ魔法使デス。時々真夜中....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
、それこそ江口がほんとうの江口になり切った時だ。 江口は過去に於て屡弁難攻撃の
筆を弄した。その為に善くも悪くも、いろいろな誤解を受けているらしい。江口を快男児....
「彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
殊に母堂に篤きが如し。 四、論争に勇なる事。 五、作品の雕琢に熱心なる事。遅
筆なるは推敲の屡なるに依るなり。 六、おのれの作品の評価に謙遜なる事。大抵の作....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
事は主公も知らねば、人口を憚かりてともに知らぬ顔にて居たり。 予はこれまでにて
筆を措くべし。これよりして悦び悲しみ大憂愁大歓喜の事は老後を待ちて記すべし。これ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
会に寄附され、今日も保存されてある。 ファラデーはタタムの講義をきくにつれて、
筆記を取り、後で立派に清書して、節を切り、実験や器械の図をも入れ、索引を附して四....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
舎芸術家達の間に、サンザン首をひねらしたものである。 それから半歳も過ぎた頃、
筆者はたまたま郷里博多へ帰っていた。旅行好きの次兵衛がひょっこり旅から帰って来て....