筆太[語句情報] » 筆太

「筆太〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

筆太の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
柳《うねめやなぎ》の前の堤《つつみ》へ、『三月三日この池より竜昇らんずるなり』と筆太に書いた建札を、高々と一本打ちました。けれども恵印《えいん》は実の所、猿沢の....
競馬」より 著者:織田作之助
いる。来い。」と簡単な走り書きで、差出人の名はなかった。葉書|一杯《いっぱい》の筆太《ふでぶと》の字は男の手らしく、高飛車《たかびしゃ》な文調はいずれは一代を自....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
う朝晩は袷《あわせ》でも薄ら寒い日がつづいた。うす暗い焼芋屋の店さきに、八里半と筆太《ふでぶと》にかいた行燈の灯がぼんやりと点《とも》されるようになると、湯屋の....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
らしく見えるのですが、唯ひとつ不思議なのは、そのひたいのまん中に『犬』という字が筆太《ふでぶと》に書いてあるのでした。いかに貧乏人でも古《ふる》浴衣《ゆかた》ぐ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しく叩き立てていた。和藤内の虎狩が今や始まっているのである。看板にも国姓爺合戦と筆太にしるしてあった。 「国姓爺か。大物をやるな」 半七はふと何事かを考え付い....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
く不釣合いだと思われるような大きい立派な額がかけられて、額には草書で『報恩額』と筆太にしるしてあった。嘉永|庚戌、七月、山村菱秋書という落款で、半七先生に贈ると....
三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
な男が出迎えに出ていて、その出迎えの男に持たせる手荷物には、きまって、赤インキで筆太に、三の字を書いた、小さな洒落れた荷札がついているのであった。 旅客の持っ....
自叙伝」より 著者:大杉栄
で掛声をかけて、元気よく飛んで行った。その時の「Y(谷中)村鉱毒問題大演説会」と筆太に書いたのぼりの間に、やはり何か書きつけた高張りの赤い火影がゆらめいて行く光....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ら夜にかけて催されることになって、大きい桜のさいている茶屋の門口に、太夫の連名を筆太にかいた立看板が出ているのを見ると、そのうちに桐畑の喜路太夫の名も麗々しく出....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
いる。どの茶屋も軒には新しい花暖簾をかけて、さるやとか菊岡とか梅林とかいう家号を筆太にしるした提灯がかけつらねてある。劇場の木戸まえには座主や俳優に贈られたいろ....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
彼の眼を惹いた。 彼は急いで封筒を取上げて裏を返して見た。果して裏には墨黒々と筆太に支倉喜平と書いてあった。彼は眉をひそめた。 「はてな、どうしてこんなものが....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
て懸け、夕暮には皆|灯すなりけり。その下あたり、札をかかげて、一人々々役者の名を筆太にこそ記したれ。小親というあり、重子というあり、小松というあり、秋子というあ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ろから、これを一名|並び茶屋ともいう。 「梅本」「嬉し野」「浮舟」「青柳」など、筆太に染め出した、浅黄の長い暖簾などが、ヒラリヒラリとなびいている。店の作りが変....
島原の夢」より 著者:岡本綺堂
でいる。どの茶屋も軒には新い花暖簾をかけて、さるやとか菊岡とか梅林とかいう家号を筆太に記るした提灯がかけつらねてある。劇場の木戸まえには座主や俳優に贈られた色々....
五重塔」より 著者:幸田露伴
源太も見よと宣いつつ、江都の住人十兵衛これを造り川越源太郎これを成す、年月日とぞ筆太に記しおわられ、満面に笑みを湛えて振り顧りたまえば、両人ともに言葉なくただ平....