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「筆意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

筆意の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
ど世話になって置きながら、今更知らん顔をしていられた義理でもあるまいといった風の筆意が、一|頁《ページ》ごとに見透かされた。 その時彼はこの手紙を東京にいる兄....
画室の言葉」より 著者:藤島武二
スプリである。したがってこの絵を見て、ただ柿の枝に小鳥が止っている、構図がいい、筆意がいい、というのだけでは、未だこの絵を充分に理解したとは言い得ないのである。....
小説総論」より 著者:二葉亭四迷
に摸写と曰うと雖も豈容易の事ならんや。羲之《ぎし》の書をデモ書家が真似したとて其筆意を取らんは難く、金岡の画を三文画師が引写にしたればとて其神を伝んは難し。小説....
春昼」より 著者:泉鏡花
、昼の月、茅を漏りて、唐戸に蝶の影さす光景、古き土佐絵の画面に似て、しかも名工の筆意に合い、眩ゆからぬが奥床しゅう、そぞろに尊く懐しい。 格子の中は暗かった。....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
に染め、江戸褄模様に翻れ梅、紅白の上絵彩色銀糸にて松葉を散らしに縫わせ……英泉の筆意を頼み、下着は縮緬鼠のさや形、帯は花色勝山に色糸を以て阿蘭陀模様を竪縞の如く....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
いてみたりする悲惨なものも出来て来るのです。 昔の支那の画家の作にはよく何々の筆意に倣うなどと断ってあるのがありますが、あれは大変気もちのよいものであります。....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
いてみたりする悲惨なものも出来て来るのです。 昔の支那の画家の作にはよく何々の筆意に倣うなどと断ってあるのがありますが、あれは大変気もちのよいものであります。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
「おかまいなく」 白雲は始終描写の筆をやすめませんでした。白雲の頭は仇十洲の筆意でいっぱいになっているものですから、障子の外のおとずれなどはつけたりで、調子....
雪柳」より 著者:泉鏡花
。優しい白い杜若、それに姫百合、その床の掛物に払子を描いた、楽書同然の、また悪く筆意を見せて毛を刎ねた上に、「喝。」と太筆が一字|睨んでいる。杜若、姫百合の、お....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
くまでも真面目に取り澄ましていて、それで何処となく呆けている工合は、十返舎一九の筆意を眼のあたりに見るようであった。わたしはその後にも「膝栗毛」の芝居をたびたび....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
本について自得し、旁ら容斎の教を受けた。隆古には殊に傾倒していたと見えて、隆古の筆意は晩年の作にまで現れていた。いわゆる浅草絵の奔放|遒勁なる筆力は椿年よりはむ....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
すらある。 私はそれについてこう思う。 彼の画には、写生がない。また、南宋の筆意や、藤原鎌倉以後の仏画の影響も見られない。土佐派の巧緻や伝彩の華麗もない。―....