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筆法
「筆法〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
筆法の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
》に傚《なら》ったものらしい。書は確かに趙松雪《ちょうしょうせつ》を学んだと思う
筆法である。その詩も一々覚えているが、今は披露《ひろう》する必要もあるまい。それ....
「或る女」より 著者:有島武郎
、木村もやむなく苦《にが》りきった笑いを浮かべながら、
「おのれをもって人を計る
筆法ですね」
と答えはしたが、葉子の言葉を皮肉と解して、人前でたしなめるにして....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の狭い話。二才らしくまた何も、娘がくれた花だといって、人に惜むにも当らない。この
筆法をもってすれば、情婦から来た文殻が紛込んだというので、紙屑買を追懸けて、慌て....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
っていたものと至極単純に考えている。しかしそれは間違いではなかろうか。そのような
筆法でゆけば、逆にいって、昼間のT市こそ、深夜のT市の睡りの状態であるかもしれな....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
せて置くに限るという説がある。曲芸の動物は腹を減らせて置かないと芸をしないという
筆法である。若し恁んな説が道理らしく主張されるなら我々は文人虐待防止会を起さねば....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
火星は重力が小さいから、飛ぶということはわりあい楽にできるんだ。とにかく進化論の
筆法《ひっぽう》でもって、これから水棲魚人が進化発達した姿を想像すると、われわれ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
きて説いて居る。 が、それは極度に詩的空想に彩色れたもので、エゼキールの隠喩的
筆法とは格段の相違がある。同様にダニエルは光の幻影を描き、ジュレミアは天帝の威力....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
ずぶ濡れになって日光の野口屋に着いた。四日は好天気で、日光見物である。これは例の
筆法で詳細に記入、ほとんど一種の日光案内記の体裁をなしている。その夜は野口屋に戻....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
、点二つがIとすると、DはTIなり―になってしまうじゃありませんか。つまり、その
筆法で、傾斜体文字の何処か一個所を変えて行くのですよ」 と法水は、傾斜体文字の....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
府においてはただ報告を聞くに止まりたるその趣は、彼の国々が従来|未開国に対するの
筆法に徴して想像するに足るべし。 されば各国公使等の挙動を窺えば、国際の礼儀法....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
朝に功を立てる後談がなかったら、『水滸伝』はただの山賊物語となってしまうと論じた
筆法をそのまま適用すると、『八犬伝』も八犬具足で終って両|管領との大戦争に及ばな....
「雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
雑多な流派が生まれては消え消えては生まれております。作家がこうも猫の眼玉のように
筆法を変えていては、とても自己本来の内心に深く滲透した芸術を創り出すということは....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
だ、あばよ、一昨日来い、とフイと通過ぎたことがあるから、坊主が憎けりゃ袈裟までの
筆法で、同一内の愛吉にも含んだ意味があるらしかった。 (放せ、やい、愛の手ッ首は....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
たしもそれをお手本にして書こうと思ったが、何分にもそれは長いものであるので、その
筆法を学んではとても二軒の劇評を三、四十行に書き縮めることは出来ないので、わたし....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
なるに反して後者は座談に長じ云々と、看方に由れば多少鴎外を貶して私を揚げるような
筆法を弄した。この逸話の載った当日の新聞を読んだ時、誰が書いたか知らぬがツマラヌ....