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筆生
「筆生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
筆生の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
をさせて下さい。」と悲鳴をあげてしまった。で、彼はずっとその時以来、あいも変らぬ
筆生として残されたのである。どうやら彼にはこの写しもの以外には何ひとつ仕事がなか....
「東京八景」より 著者:太宰治
のまにか、ちがう野原を歩いている。 私は、その三十歳の初夏、はじめて本気に、文
筆生活を志願した。思えば、晩い志願であった。私は下宿の、何一つ道具らしい物の無い....
「書斎」より 著者:辻潤
私は長い間、書斎らしい書斎も本箱も何も持たないことをさも自慢らしく吹聴してくらしている人間のひとりなのです。文
筆生活をしていながら、未だ生まれて万年筆というものを買ったことさえないのを、さも....
「バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
をした。そこで家に引きとられ、通学で十七の年法律学校を卒業した。バルザックが、文
筆生活をはじめたのはそれから三年後、二十歳のときであるが、それも決してすらりと行....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
・コ※レフスカヤの伝記翻訳を連載して、読者をゆたかにするとともに、着実に自身の文
筆生活と家庭生活とを時代の怒濤から守りつづけ、『青鞜』の朝夕をめぐった騒々しさに....
「歌声よ、おこれ」より 著者:宮本百合子
分の存在について再認識を求められてきた。戦争は文化を花咲かせるものでないから、文
筆生活者として生活の不安もつのった。それからの脱出として、既成の作家たちは、まじ....
「平塚さんと私の論争」より 著者:与謝野晶子
発せず」加之に「事実の関係を全く無視して極めて主観的な判断を下す」といって私の文
筆生活に現れた私の人格全体を非難されたのは、それこそ余りに主観的な、大胆きわまる....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
俳席へも出た。また牛込の宗匠たる岡本半翠氏は、予て私が文部省の参事官であった頃の
筆生であったが、計らずもそれがいわゆる旧派の宗匠であった事を、同人中の土居藪鶯氏....
「風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
っても、一流の雑誌でも二円とかせいぜい二円五十銭で、私が三円の稿料を貰ったのは文
筆生活十五年ぐらいの後のことであった。純文学というものの稼ぎは中学生の駄文の飜訳....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
精神的な理由もあったが、とにかくそう考えて生活転換をした矢先なのである。だが、文
筆生活などをしていると、一文なしになることなんかもはや不感症以上で、「二三日した....
「フランケンシュタイン」より 著者:宍戸儀一
であった。母を失ったマリーは、この父の暖かい薫陶のもとに育ったが、牧師を辞めて文
筆生活に入っていた父の、ぺイン、コールリッジ、ラム、サウジー等、文人や思想家との....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
作であることは周知の通りである。紀行文、随筆、短篇小説などにおける彼の数年間の文
筆生活の後に、一八八一年の九月、スコットランドのブレーマーでの療養中に書き始めら....
「かもめ」より 著者:神西清
したころ、まだ若くて、生気にあふれていた時代はどうかというと、これまたわたしの文
筆生活は、ただもう苦しみの連続でしたよ。駆けだしの文士というものは、殊に不遇な時....