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筆致
「筆致〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
筆致の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
いくあたり、俺はあいつに対してますます強い反感を感ずると同時に、あいつの魅力ある
筆致によって、ぐいぐい頭を押えられてしまった。ことに「顔」の主題は、今の文壇には....
「世相」より 著者:織田作之助
った。戯画を見るように笑った。私は笑えなかったが、日本の春画がつねにユーモラスな
筆致で描かれている理由を納得したと思った。 「リアリズムの極致なユーモアだよ」と....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
史の手腕恐るべし。絵具の材料も吟味はしてあるんだが、なにしろルウベンスそっくりの
筆致を出したところは恐れ入った。これなら、誰が見たって、まさかこんな加筆をやった....
「連環記」より 著者:幸田露伴
が英発して居って、そして学問詞才にも長け、向上心の強い、勇気のある、しかも二王の
筆致を得ていたと後年になって支那の人にさえ称讃されたほどであるから、内に自から収....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
もよく応ずるものになる。文学も多少僕等の時代に近づいて来た。僕等の思想なり僕等の
筆致なりにシックリ合うアナトール・フランスなどいう連中が、大分もてはやされて来た....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
あらず!」と云い得ている。だから彼は、威海衛の大攻撃を叙するにあたって熱を帯びた
筆致を駆使し得ているのである。そして、彼が軍艦に乗り組んでそこでの生活を目撃しな....
「四月馬鹿」より 著者:織田作之助
(弥生さん)を、作者の武田さんが東京へ帰ってから訪ねて行くという話で、淡々とした
筆致の中に弥生さんというひとの姿を鮮かに泛び上らせていた。話そのものは味が淡く、....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
かなる、不変の愛情他にあるべきや。宛も燃ゆるダイヤモンドのその如く」 と、美しい
筆致で描かれてある。 ファラデーは結婚後、家庭が極めて幸福だったので、仕事にま....
「文学的饒舌」より 著者:織田作之助
なって来る。「縮図」は「あらくれ」ほどの迫力はないが、吉田栄三の芸を想わせる渋い
筆致と、自然主義特有の「あるがまま」の人生観照が秋声ごのみの人生を何の誇張もなく....
「三人の師」より 著者:上村松園
ところは筆を三本も四本もならべて握りそれで刷毛の用をなされたのである。 雄渾な
筆致で、お描きになっていられるところを拝見していると、こちらの手先にまで力がはい....
「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
実氏の「葵上」のスケッチ……又翌月号の本誌にその画を通じて、実氏の芸風と奏風氏の
筆致をテニスに寄せて皮肉った無名氏の漫画……それから引き続いて新春号に奏風氏が書....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
は印度女への無言の叱責でもあった。其の額にはガルスワーシーが畏敬と如才ない愛想の
筆致でもって戯画化されて居た。 ――ミスター・ロウが描いて呉れたんですよ。あのイ....
「浮世絵画家の肉筆」より 著者:上村松園
うです。中には竹内栖鳳先生の御出品だと思います、北斎筆の、鏡の前の女などは、その
筆致と申し色彩と申し、強い調子の中に一種のなれた柔かみがあって、なんとも言えない....
「読むうちに思ったこと」より 著者:小川未明
に触れるように書かれているというよりは、描かれているように思いました。私は、その
筆致に、どこやらヂッケンスを偲びましたが、ヂッケンスの自然描写にも、遙かに、絵に....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
たときに。――これは皆がいつまでも忘れることのできない喪失でございます。これで擱
筆致します、親愛なベートーヴェン、私どものことをお忘れ下さいませぬよう。 エレオ....