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筆誅
「筆誅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
筆誅の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
まっさつ》する。「香一※もあまり唐突《とうとつ》だから已《や》めろ」と惜気もなく
筆誅《ひっちゅう》する。余す所は「天然居士は空間を研究し論語を読む人である」と云....
「新生」より 著者:島崎藤村
ぬ。新聞記者は好んで人の私行を摘発するものではないが、社会に代ってそれらの人物を
筆誅《ひっちゅう》するに外ならないのであると。こうした眼に見えない石が自分の方へ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
徳とに余生を送った大野九郎兵衛は、不忠なる元禄武士の一人として浄瑠璃の作者にまで
筆誅されてしまった。私はもう一度かの僧を呼び止めて、元禄武士に対する彼の詐らざる....
「クねずみ」より 著者:宮沢賢治
ごとし。本社はさらに深く事件の真相を探知の上、大いにはりがねせい、ねずみとり氏に
筆誅《ひっちゅう》を加えんと欲す。と。ははは、ふん、これはもう疑いもない。ツェの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
聞いて、亡き者を、有るが如くに妬みにくんだあのお浜という不貞な女。
お銀様は、
筆誅を加えるほどの意気組みで、その名を錐《きり》で揉み込むほど強く木片に認《した....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
新聞は翌日、パリーのよき趣味によって罰せられた野卑なドイツ人を、いっしょになって
筆誅《ひっちゅう》した。 その次には、ふたたびひっそりと静まり返ってしまった。....
「四十八人目」より 著者:森田草平
てみた。 「うむ、あんまり臆病者がたくさん出るので、心外でたまらぬから、いちいち
筆誅を加えてやった」と、勘平は問わず語りに話した。(ついでながら、勘平のこの書状....
「磯部の若葉」より 著者:岡本綺堂
徳とに余生を送った大野九郎兵衛は、不忠なる元禄武士の一人として浄瑠璃の作者にまで
筆誅されてしまった。私はもう一度かの僧を呼び止めて、元禄武士に対する彼の詐わらざ....
「申訳」より 著者:永井荷風
った。そして相手の給仕女はお民であるという事になった。 生田さんは新聞紙が僕を
筆誅する事日を追うに従っていよいよ急なるを見、カッフェーに出入することは当分見合....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
が出来はじめた頃、此に酔を買った事から、新聞と云う新聞は挙《こぞ》ってわたくしを
筆誅《ひっちゅう》した。昭和四年の四月「文藝春秋」という雑誌は、世に「生存させて....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
拠にも力があった。しいて歪曲している点もなくはないが、不倶戴天の仇敵をやッつけた
筆誅の余勢である。多少の誇張はしかたがあるまい。 しかも、彼の昨今は、 「待ち....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
で、勝者の下に書かれた鎌倉期の物語や史書の執筆者も、清盛なみに、彼女たちまでを、
筆誅する理由を見出し得なかったのであろう。むしろ清盛を意識的にやっつけた罪ほろぼ....
「それから」より 著者:夏目漱石
った。 「無論嘘は書かない積りだ」 「いえ、僕の兄の会社ばかりでなく、一列一体に
筆誅《ひっちゅう》して貰いたいと云う意味だ」 平岡はこの時邪気のある笑い方をし....