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等分
「等分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
等分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
藤左衛門は、こう云って、伝右衛門と内蔵助《くらのすけ》とを、にこにこしながら、
等分に見比べた。
「はあ、いや、あの話でございますか。人情と云うものは、実に妙な....
「路上」より 著者:芥川竜之介
をしていたが、やがてあの時代のついた角帽の庇《ひさし》へ手をかけると、二人の顔を
等分に眺めながら、
「じゃ僕は失敬しよう。いずれまた。」と、取ってつけたような挨....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
かんじん》の御取次がここで油を売っていたんです。」と、お敏と荒物屋のお上さんとを
等分に見比べて、手際よく快活に笑って見せました。勿論何も知らない荒物屋のお上さん....
「星座」より 著者:有島武郎
が、どっちにするかい」
おたけは送ってもらわないでもいいといって、森村と園とを
等分に流し眄《め》で見やった。西山はもう万事そんなことに興味を失ってしまった。園....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
し私を疑うような、自分を冷笑うような冷ややかな表情をして、しばらくの間私と絵とを
等分に見くらべていたが、ふいと庭のほうへ顔をそむけてしまった。それは人をばかにし....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
外界の機縁で私を創り上げる試みに失敗した私は、更に立ちなおって、私と外界とを
等分に向い合って立たせようとした。 私がある。そして私がある以上は私に対立して....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
な広い部屋だった。竪長の三十坪ほどもあろうという、ぶちぬきの一室だったが、縦に二
等分し、一方には白ペンキを盛んに使った卓子や書棚や、書類函や、それから手術台のよ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
いう報告があった。それを聞いて一同は、広告気球の消え去った方角の空と羽田の空とを
等分に眺めながら、いつまでも立ちつくしていた。 大江山課長は、傍を向いて、誰に....
「蠅男」より 著者:海野十三
はそっと封筒をナイフの刃で剥がしてみた。その中からは新聞紙が出て来た。新聞紙を八
等分したくらいの小さい形のものだった。 新聞紙が出て来たと見るより早く、帆村は....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
「いやいや、それには及ばぬ、それには及ばぬ。」 と小父者、二人の女中の顔へ、
等分に手を掉って、 「かえって賑かで大きに可い。悪く寂寞して、また唐突に按摩に出....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
ぐたりとなる、可いかね。 顔へ花火のように提灯の色がぶツかります。天井と舞台を
等分に睨み着けて、(何じゃい!)と一つ怒鳴る、と思うと、かっと云う大酒の息を吐き....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、怨みっこ無しに冥利の可い方が勝つんだよ。」 「おや、お嬢様、それでは客と食物を
等分に、代り合っていたします。それでいてお茶代が別にあったり何かすると、どちらが....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
っと動かなくなってしまった。が、間もなく振り返ると、微笑を浮べながら二人の証人を
等分に見較べるようにした。勿論雄太郎君も戸川差配人も、すぐに蜂須賀巡査の意中を悟....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
たしました」 「どうして御存じでしたの?」 「どうして?」 男は夫人と私の顔を
等分に見ながら、淋しい笑い方をした。 「智恵子は私の許嫁だった女です。そして現在....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
呉れました。 『人殺しがあったっていうじゃありませんか?』 妻君は夫と私の顔を
等分に見て笑っています。張氏は面目なさそうににやにやしながら、 『間違いだったん....