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等差
「等差〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
等差の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
れっていうから、それでいけないって」
津田はようやく気がついた。富の程度に多少
等差のある二人の活計向《くらしむき》は、彼らの子供が持つ玩具《おもちゃ》の末に至....
「野分」より 著者:夏目漱石
の事である。人間が出来上るのが目的である。大小の区別のつく、軽重《けいちょう》の
等差を知る、好悪《こうお》の判然する、善悪の分界を呑《の》み込んだ、賢愚、真偽、....
「作物の批評」より 著者:夏目漱石
なものでもいい――。相当の理由があって第一位に置かんとならば、相当の理由があって
等差を附するならば差支《さしつかえ》ない。ただしできるかできぬかは疑問である。 ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
百円なら、次が二百五十円、次が二百円、次が百五十円、末が百円といった工合に長幼の
等差を整然と附けたいというわけだ。 先ず行われている、今の処じゃ。そうしてその....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
機能を多量に有する視覚聴覚の如きに依ろうとする。それらの感覚に訴える手段にもまた
等差が生ずる。 同じ言葉である。然しその言葉の用い方がいかに芸術家の稟資を的確....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、御国に対し懇切の心より起こり候儀にて、隔意ある事にはこれなく、他の外国より使節
等差し越し候とはわけ違いと申し候。右等の儀よろしく御推察下さるべく候。ことに、こ....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
、かの「竹取物語」とか、「宇治物語」とかなぞは、当時の通俗小説であったと見て、何
等差支えないと思うのである。そういう見方でするならば、そこで又そんな見方で私は正....
「木下杢太郎『唐草表紙』序」より 著者:夏目漱石
差支《さしつかえ》ないでしょう。ことに前者に於て、ある男とある女の性的関係の階級
等差が、あれ程細かく書いてありながら、些《ちっ》とも卑猥《ひわい》な心持を起させ....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
爵には一目置た挨拶させ差詰聟殿と大切がられべきを、四民同等の今日とて地下と雲上の
等差口惜し、珠運を易く見積って何百円にもあれ何万円にもあれ札で唇にかすがい膏打よ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
国の方へ行って了っているようでございます。西洋の人が申す天使――あれにはいろいろ
等差があり、偶には高級の自然霊を指している場合もありますが、しかしちょいちょい病....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
の住んでいた小屋は藩から立てられたもので、勤番小屋、常府小屋に区別され各役相応の
等差があった。私の父は側役《そばやく》といって、君侯のそばで用を弁じる者即ち小姓....
「作家的思想」より 著者:豊島与志雄
る。それはそれとして、この場合の一道の光明は、思想や夢や希望などと、何等の矛盾や
等差なしに列記出来ることにある。知性が持つところの感性と、感性が持つところの知性....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
用の有無を尋ねるのであったが、これをもって見れば、多くの家では家人と雇人の食物に
等差があるものだということが想像される。甚しきは肉なり魚なりを家人の分だけ用意し....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
ものらしく想像せられるのである。さらに同書明応三年六月十二日条に、 之者、知院事
等差遣之条勿論也。 とあるのをみると、鳩垣内はすなわち九内堂の辺りの地名と解せ....
「筍の美味さは第一席」より 著者:北大路魯山人
一種捨てがたい風味があって、充分珍重に価する。 しかし、筍も産地による持ち味の
等差というものの甚だしいのに驚く。もとより京阪は本場である。関東のそれは場違いと....