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等身
「等身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
等身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「Kの昇天」より 著者:梶井基次郎
した。 K君はまた、朝海の真向《まっこう》から昇る太陽の光で作ったのだという、
等身のシルウェットを幾枚か持っていました。 そしてこんなことを話しました。 「....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ずのうちに起れる事実なりと云う。その人形と云うは、路易朝末期の格檣襞服をつけたる
等身人形にして、帷幕の蔭にある寝台上にあり、用いたる自殺用短剣は、その護符刀なら....
「断層顔」より 著者:海野十三
来客のあるのを告げた。そしてテレビジョンのスイッチをひねった。 映写幕の上に、
等身大の婦人の映像があらわれた。 ハンカチーフで顔の下半分を隠している。その上....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
鬼およそ十四五匹が、臨終の貴人に対して合掌しているという群像だった。像はすべて、
等身大の彫刻で、目もさめるような絵具がふんだんに使ってあって、まるで生きているよ....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
「運慶の作でござります。」 と、ちょんと坐ってて言う。誰でも構わん。この六尺
等身と称うる木像はよく出来ている。山車や、芝居で見るのとは訳が違う。 顔の色が....
「死者の書」より 著者:折口信夫
那、郎女の身は、大浪にうち仆される。浪に漂う身……衣もなく、裳もない。抱き持った
等身の白玉と一つに、水の上に照り輝く現し身。 ずんずんと、さがって行く。水底に水....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
て、生血の雫が滴点ると言います。 広間の壁には、竹箆で土を削って、基督の像が、
等身に刻みつけて描いてあった。本箱の中も、残らず惨憺たる彩色画で、これは目当の男....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
蛛の巣と煤が鐘乳石のように垂れ下っていて、奥の暗がりの中に色泥の剥げた伎芸天女の
等身像が、それも白い顔だけが、無気味な生々しさで浮き出していた。それに、石垣にあ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
昇ろうとすると、足があがらない。やっとのことで館内に入った鶴見の面前に、いきなり
等身大の仏像が立ち現われる。やれやれと思うひまもなかったのである。その仏像のひろ....
「鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
のは、ささやかな家根の下、三方板囲いされた中に、赤い涎れ懸けをかけ、杖を持った、
等身大の石地蔵、飯食い地蔵尊ばかりであり、それを照らしているものは、その地蔵尊に....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
謂多面多臂仏の感覚からなのです。所で、御承知の通り夢殿には、階下の正面に、殆んど
等身大と思われる十一面千手観音の画像が掲っています。そして、僕がその感覚に気付い....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
と、パッと蓋が取られた。 7 京人形が入れてあった。 髪は文庫、衣裳は振袖、
等身大の若い女の、生けるような人形が入れてあった。 と、眼瞼を痙攣させ、その人....
「おせん」より 著者:邦枝完二
その団扇の音を、じりじりと妙にいら立つ耳で聞きながら、由斎は前に立てかけている、
等身大に近い女の人形を、睨めるように眺めていたが、ふと何か思い出したのであろう。....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
であろう、廚子にはじめて神像を見た時は、薄い桃色に映った、実は胡粉だそうである、
等身の女神像は肩に白い蓑を掛けて、それが羽衣に拝まれる。裳を据えた大魚は、やや面....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
もありました?」 心配そうに訊くのだった。恰度二人がその部屋に入った時、伯爵は
等身大の亡き夫人の肖像画の前に座って、香を焚き冥福を祷っていた。香の煙は美しい彼....