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「等閑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

等閑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
に病気をし勝ちだった。それだけに不安も感じれば、反対にまた馴《な》れっこのように等閑《とうかん》にする気味もないではなかった。「あした、Sさんに見て頂《いただ》....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
運命 運命は偶然よりも必然である。「運命は性格の中にある」と云う言葉は決して等閑に生まれたものではない。 教授 若し医家の用語を借りれば、苟《い....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
罪は鼓《こ》を鳴らして責めざるべからず。否、忍野氏の罪のみならんや。発狂禁止令を等閑《とうかん》に附せる歴代《れきだい》政府の失政をも天に替《かわ》って責めざる....
婦系図」より 著者:泉鏡花
わ、と軽い口をその時交えて、)であるし、病院の院長は、義理の伯父さんだし、注意を等閑にしようわけはないので、はじめにも二月三月、しかるべき東京の専門医にもかかっ....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
に科学的であるとも言い得るではなかろうか。日本の知識人は今日まで軍事科学の研究を等閑にし、殊に自由主義時代には、歴史に於て戦争の研究を、ことさらに軽視していた。....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
な、雲に連なる、山々のひしと再び窓に来て、身に迫るのを覚えもした。バスケットに、等閑に絡めたままの、城あとの崩れ堀の苔むす石垣を這って枯れ残った小さな蔦の紅の、....
天守物語」より 著者:泉鏡花
何の、それには及びますまいと存じます。 夫人 いえいえ、農家のものは大切だから、等閑にはなりません。 薄 その儀は畏りました。お前様、まあ、それよりも、おめしか....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
た頃は、そうでもない、汀の人立を遮るためと、用意の紫の幕を垂れた。「神慮の鯉魚、等閑にはいたしますまい。略儀ながら不束な田舎料理の庖丁をお目に掛けまする。」と、....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
れに暗いでしょう。」 行方も知らず、分れるように思ったのであった。 そのまま等閑にすべき義理ではないのに、主人にも、女にも、あの羅の償をする用意なしには、忍....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
ら駈着けて、門を敲いても、内で寝入込んで、車夫をはじめ、玄関でも起さない処から、等閑な田舎の構、どこか垣の隙間から自由に入って来て、直ぐに脊伸で覗いた奴。 か....
星女郎」より 著者:泉鏡花
は、そう無雑作には破れなかった。 前後を※しながら、密とその縄を取って曳くと、等閑に土の割目に刺したらしい、竹の根はぐらぐらとして、縄がずるずると手繰られた。....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
が、慈悲は寧ろ人間に近い。 われ等は、かの全然瞑想に耽りて、自己の責務の遂行を等閑視する、人気取式の神信心を排斥する。神は断じて単なる讃美を嘉納されない。われ....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
消えるのを待って、もとの箱に入れて、袂に蔵った。 乏しい様子が、燐寸ばかりも、等閑になし得ない道理は解めるが、焚残りの軸を何にしよう…… 蓋し、この年配ごろ....
雪柳」より 著者:泉鏡花
てから、師匠に鉄道馬車の監督の話をすると、気に入った。その寛容と深切に対しても、等閑に棄てては置けない、料金は翌日にも持参しなさい。で、二日ばかりおいて、両国ま....
妖怪報告」より 著者:井上円了
様々の夢の起こる原因は、余はことに不瞭解なれども、しかしこれを不瞭解なりと言いて等閑に付すは、日進の知識は決して得べからざるものと思われ申し候。それゆえ、ひとえ....