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筋力
「筋力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
筋力の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
壮烈な最後を望んでいた。自分は平生から(ことに二人でこの和歌山に来てから)体力や
筋力において遥《はるか》に優勢な位地に立ちつつも、嫂に対してはどことなく無気味な....
「冥土行進曲」より 著者:夢野久作
見る見る妙な顔になって、私を見た今までの快活さはどこへやら、暫くの間ジイッと顔の
筋力を剛ばらせて、不思議な事に私の顔を凝視している様子であったが、やがてホッとた....
「物質群として見た動物群」より 著者:寺田寅彦
するのではないかと想像される。神輿の運動の変異量と、その質量や舁夫の人数、各人の
筋力、体量等との間に或る量的関係を見いだすことは充分可能でありそうに思われる。 ....
「われを省みる」より 著者:宮本百合子
夜に眠りして、徐々に育って来た。脆弱《ぜいじゃく》であった四肢には次第に充実した
筋力が満ち男性は山野を馳け廻って狩もすれば、通路の安全を妨げる大岩も楽々揺がせる....
「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
ほしいんですが、ハーキュリーズは大した力持でした。そして、空を支えるには、大変な
筋力が要《い》りましたが、それでも、誰か人間のうちでそんな芸当が出来そうな者があ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
と見たのか、玄八、やにわに、
「ううむ」
一声! これが気合い、同時に、満身の
筋力を刀手にこめて押しかかる――と思わせて、じつは逆に、スウッと張りを抜きながら....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
《とうはん》の妙技に長じていた。梯子《はしご》もなく、鎹《かすがい》もなく、ただ
筋力だけで、首と肩と腰と膝《ひざ》とで身をささえて、石のわずかな突起につかまって....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
三時間のうちに封建制度の一千年を解決した。彼はその理論をもって、満場一致の意志の
筋力とする。彼はあらゆる壮大なる形の下に仲間を増してゆく。ワシントン、コスキュー....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
せずしてかえって政府を強固ならしむる。暴動は軍隊を試練し、中流民を結合し、警察の
筋力を伸張させ、社会の骨格の力を確かめる。それは一つの体操であり、ほとんど衛生的....
「物質とエネルギー」より 著者:寺田寅彦
どうしても力という考えを固めなければ工合が悪い。力という言葉の起原はつまり人間の
筋力の感覚から発達して来たものに相違ない。そうしてこの考えを押し拡げて吾人の身辺....
「在学理由」より 著者:豊島与志雄
うむ、いよいよ駄目だったかな。」 まだ若者の顔を見つめたまま、彼の顔は一瞬間、
筋力の力が失せたかのようにとほうもなくたるんで、それからこんどは急に硬ばった。 ....
「白痴の知恵」より 著者:小酒井不木
なわち留吉の眼は猫よりも鋭く、またその鼻は犬よりも敏いのであります。そのうえ彼は
筋力にもすこぶる恵まれておりまして、一口にいえば、猩猩のように強かったのでありま....