筑波颪[語句情報] » 筑波颪

「筑波颪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

筑波颪の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
打《かたきうち》は徒労に終ってしまいそうな寂しさに沈み勝ちであった。 その内に筑波颪《つくばおろ》しがだんだん寒さを加え出すと、求馬は風邪《かぜ》が元になって....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、あたまの上を雁が鳴いて通った。 「だんだんに寒くなりますね」 「むむ、これから筑波颪でこの橋は渡り切れねえ」と、七兵衛はうす明るい水の上を眺めながら云った。「....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
に霜枯れのした草の葉がじゃれついて、やるまいとするようにからんだ。本堂の屋根を、筑波颪《つくばおろし》がおどり越えてきた。周囲の老松と老杉のむれが、ごうごうと喚....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
思議なものに見える。時候も今日のように冬に入る初めでなく、陰暦の十一月ですから、筑波颪がまともに吹いて来て震え上がるほど寒い。その寒さを何とも思わず、群衆はこね....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
も秋の末、利鎌《とがま》のような月影が大川端の水面《みなも》に冴えて、河岸の柳も筑波颪に斜めに靡《なび》くころであった。 白洲へ出てはさすがの二人も恐れ入って....