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筒っぽ
「筒っぽ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
筒っぽの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
た。 八つの時、学校から帰ると、いきなり仕立おろしの久留米の綿入を着せられた。
筒っぽの袖に鼻をつけると、紺の匂いがぷんぷん鼻の穴にはいって来て、気取り屋の豹一....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
で二里ばかり行かなくっちゃいけないと聞いて、なお上がるのがいやになった。おれは、
筒っぽうを着た男から、おれの革鞄《かばん》を二つ引きたくって、のそのそあるき出し....
「わが町」より 著者:織田作之助
校ゆえ君枝を自身俥に乗せて河童路地へ連れて戻ると君枝は痩せて顔色がわるく、青洟で
筒っぽうの袖をこちこちにして、陰気な娘だった。 両親のないことがもう子供心にも....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
膳が、何を見つけたか、水辺にしゃがみこんで、 「なんだ、こんなところに、こんな竹
筒っぽうがひっかかっておる」 と、指を冷たい水にぬらして、川岸の水草の根のあい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
《びたすけ》がついている。 やがて、今度は支那服でない白い被《おお》いのついた
筒っぽを着た数名の給仕が現われて、またまた白い中皿に湯気の立つやつを、いちいちそ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
としては、衣冠束帯などの儀式を知っているものは一人もなく、男はみんな仕事師同様の
筒っぽを着ている。
女は鳥の毛や毛皮を好んで着たがるが、それは今いうところのお....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と覚しきものを背負っている。 一方、宇治山田の米友に至ると、めくら縞《じま》の
筒っぽはいつも変らないし、これは竹の皮の饅頭笠《まんじゅうがさ》をかぶっているが....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
、大陸の気層は魔術的だ、けさ着いた停車場の建物をすぐ眼のまえに見せて、鬱金木綿の
筒っぽのどてらとするが、すぐに忘れてまた眠り出す。そうして襟へしみる夕風に急に驚....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
よっぽどいいや」 と、おかしなことを口走りました。雪なんぞは降らなくてもいい、竹
筒っぽうでも降ればいいというのは、あまり聞き慣れない譬《たとえ》であります。竹筒....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
爛熟期《らんじゅくき》の、文化文政の面影を止《とど》めていた。万事がのびやかで、
筒っぽのじゅばんなど、どんなに寒くても着なかった。 ある年九月廿日、芝の神明様....
「雨」より 著者:織田作之助
八つの時、学校から帰ると、いきなり、仕立ておろしの久留米の綿入を着せられた。
筒っぽの袖に鼻をつけると、紺の匂いがぷんぷん鼻の穴にはいってきて、気取り屋の豹一....
「おにぎりの味」より 著者:中谷宇吉郎
服を着た小学生というものは、誰《だれ》も見たことがなかった。紺絣《こんがすり》の
筒っぽに、ちびた下駄。雨の降る日は、藺草《いぐさ》でつくったみのぼうしをかぶって....
「わが町」より 著者:織田作之助
間もなく小学校ゆえ君枝を河童路地へ連れて戻ると、君枝は痩せて顔色がわるく、青洟で
筒っぽうの袖をこちこちにして、陰気な娘だった。両親のないことがもう子供心にこたえ....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
。かれは丁寧にあたまを下げて引下った。 あくる日、かれは、いわれた通りの飛白の
筒っぽ、天竺木綿の兵児帯……勿論それに汚れくさった手拭を下げることをかれは忘れな....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
くれるのである。――それらの店々のまえを過ぎるとき、いまもってわたしは、かすりの
筒っぽに紫めりんすの兵児帯、おこそ頭巾をかぶった祖母に手をひかれてあるいていたそ....