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「筒口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

筒口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
納めた櫃があったがそれに体を倚せかけながら、手に火の点いた種ヶ島を握り、大胆にも筒口を信玄へ向け、小気味の悪い三白眼をさも得意そうに光らせた高坂甚太郎が坐ってい....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
二十八 又九郎は年五十九でございますが、中々きかん気の爺で、鉄砲の筒口を押し握ってそっと破れ障子を開けると、此方はこそ/\荷拵えを致して居る処へ這....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
彼は背後を振り返って見た。そこでまた彼は「あっ」と叫んだ。十数人の人影が、鉄砲の筒口を向けていた。 彼はすっかり計られたのであった。腹背敵を受けてしまった。も....
計略二重戦」より 著者:甲賀三郎
固いものが少佐の脇腹に当りました。少佐はハッと驚いて両手を上げました。ピストルの筒口が横腹に突きつけられたのです。ああ少佐はとうとう敵に捕ったのです。 「ハハハ....
雑記(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
助手がそこから順々に花火の玉を出して打手に渡す。 始めに小さな包のようなものを筒口へ投り込んで、すぐその上へ銀色をした球を落し、またその上へ、掌から何かしら粉....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
ぬ曲者なりと、平林は手早くも玄関の長押に懸けてありました鉄砲へ火縄を挟み、文治へ筒口を向けましたから、文治は取って押えた両人を玉除に翳し、 文「さア打つなら打....
開運の鼓」より 著者:国枝史郎
いる獅子身中の虫と見られ、ある夜のごときは数十人の兵にその身辺を取りまかれ鉄砲の筒口を一斉に向けられ硝煙に包まれたことさえあった。 「慶喜の生命は助けなければな....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
っ黒の姿を陽に輝かせキョロキョロ四辺を見廻している。 紋太郎はろくに狙いもせず筒口へ唇を宛たかと思うと、ヒュ――ッと風を切る音がして一筋の白光空を貫きそれと同....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
ぬ!」 「そうか」と銀之丞は冷淡に「よかろう、一発ドンとやれ」 ピッタリ短銃の筒口が、銀之丞の胸へ向けられた。絶息しそうな沈黙が、分を刻み秒を刻んだ。 ....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
島蔭から現われて発砲しかけた船がある。船の形は商船だが船首と船尾に一門ずつ大砲の筒口が光っているので海賊船とすぐ知れたよ。大砲を二、三発打ちかけて置いて停まれの....
剣侠」より 著者:国枝史郎
馬を囲繞して歩いて来た人々――権九郎輩下の者共が、一斉に足を止め振り返り、鉄砲の筒口をこっちへ向けた。 要介たちの方へ差し向けた。 「しまった! 目つけられた....
かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
をたるませどうだ山村の好男子美しいところを御覧に供しようかねと撃て放せと向けたる筒口俊雄はこのごろ喫み覚えた煙草の煙に紛らかしにっこりと受けたまま返辞なければ往....
今昔茶話」より 著者:国枝史郎
いるらしい。 その火焔砲は、勿論、殺人光線放射器ではなくて、単に、強烈の火焔を筒口から放射して、人間や鋼鉄やペトン等を焼きとろかすだけのものであるらしくウエル....
世界の裏」より 著者:国枝史郎
パッシ街二一二六番の料理店で、いいご機嫌で酒をのんでいた。その時、窓から機関銃の筒口が出て、タ、タ、タ……それで、片付いた。コロジモは天国へ行ったのである。 ....
活人形」より 著者:泉鏡花
りゃこそ出たぞ、と驚き慌て、得右衛門も待ち合えず、命からがら遁帰りぬ。 短銃の筒口に濃き煙の立つと同時に泰助が魂消る末期の絶叫、第三発は命中せり。 渠は立竦....