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筬
「筬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
筬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「ネギ一束」より 著者:田山花袋
時は、機の工場に雇われて、一日に一反半の高機織り、鼻唄を唄う元気さえなくなった。
筬をしめる腕は、自分のか他人のかわからぬくらいにつかれ果てることもあった。若いと....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
うとした。裏庭から母屋の方へ引き返して行くと、店座敷のわきの板の間から、機を織る
筬の音が聞こえて来ている。 寿平次の家も妻籠の御城山のように古い。土地の言い伝....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
をお粂に教え、時には『古今集』の序を諳誦させたり、『源氏物語』を読ませたりして、
筬を持つことや庖丁を持つことを教えるお民とは別の意味で孫娘を導いて来たのもまたお....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
たるだけこの話の原始的のものたるを示す。その概略は、川上川下に住む二人の爺が川に
筬《やな》を掛けると、上の爺の
筬に小犬、下の爺のに魚多く入る。上の爺怒って小犬と....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、大名にすればたしかに十万石以上」 壬生の村は、もう暗くなる。機《はた》を織る
筬《おさ》の音が、この乱世に太平の響きをさせる。知らず知らず綾小路《あやこうじ》....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の膝にのたりつきました。その口を慌《あわただ》しく動かして、咽喉首《のどくび》が
筬《おさ》のように上下するところを見れば、これは何か言わんとして言えないのでした....
「死者の書」より 著者:折口信夫
である。機織りに長けた女も、一人や二人は、若人の中に居た。此女らの動かして見せる
筬や梭の扱い方を、姫はすぐに会得した。機に上って日ねもす、時には終夜織って見るけ....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
はもうこの里も、この宿屋も、こんなにすっかり荒れてしまっている。夜になったって、
筬《おさ》を打つ音で旅びとの心を慰めてくれるような若い娘などひとりもいまい。だが....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
うのは？」 「お前、比丘尼の手を見たか」 「手がどうかなっていましたか」 「手に
筬胼胝《おさだこ》ができている。……比丘尼の手なら撞木擦《しゅもくず》れか数珠《....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
から見ると林のよう。出る船、入る船、積荷、荷揚げ。沖仲仕が渡《わたり》板を渡って
筬《おさ》のように船と陸とを往来《ゆきき》する。 岸には大八車にべか車、荷駄《....
「菜の花物語」より 著者:児玉花外
っている。雪を欺むく白い顔は前を見詰たまま、清しい眼さえも黒く動かさない、ただ、
筬ばかりが紺飛白木綿の上を箭の如に、シュッシュッと巧みに飛交うている。 まだこ....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
國男君は、川村杳樹の名を以てその巫女考を郷土研究の誌上に連載せられ、その第十一「
筬を持てる女」（一巻十一号大正三年一月）の題下に、 古来の通説に従へばクグツは一....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
は黒ずんだ美しい茶褐色を呈します。模様は凡て絣で出します。仕事は盛で、島を訪うと
筬の音をほとんど戸｜毎に聞くでありましょう。特色ある織物としてこの島にとっては大....
「三国志」より 著者:吉川英治
た生業の莚織の機は、今なお、この故郷の家では休んでいなかった。 その機を、その
筬を、今も十年一日のごとく動かしている者は誰だろうか。 問うまでもない、玄徳の....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
戸隠の山の麓の裾花川の岸には、機織り石という大きな岩があって、その脇には梭石、
筬石、※ 木曽の野婦池というのもひでりの年に、村の人が雨乞いに行く池でありまし....