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筺
「筺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
筺の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
解釈するのも亦尤もだった。彼は元来人好きのする生徒ではないのに違いなかった。彼の
筺底《きょうてい》の古写真は体と不吊合《ふつりあい》に頭の大きい、徒《いたず》ら....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
脚、床には唐画の山水をかけたれど、※間には亡父|通武の肖像をかかげ、開かれざる書
筺と洋籍の棚は片すみに排斥せられて、正面の床の間には父が遺愛の備前兼光の一刀を飾....
「『吾輩は猫である』中篇自序」より 著者:夏目漱石
なかったから、つい其儘《そのまま》にして居るうちに子規は死んで仕舞《しま》った。
筺底《きょうてい》から出して見ると、其手紙にはこうある。 僕ハモーダメニナッテ....
「近頃の話題」より 著者:宮本百合子
の条件が却って夫人の持ちものを未熟なままにふっきらせ切らない。完成した形が外から
筺をはめているのである。夫人の現在の悲劇は恐らく玄人仲間でそれをありのまま彼女に....
「躯」より 著者:徳田秋声
将の方からも、入費が出たそうで……その骨揚の日には、私も寄ばれましたっけが、忰の
筺の品を二品ほしいと仰ゃるんで、上等兵になった時の写真を二枚持ってまいりましたが....
「連環記」より 著者:幸田露伴
苦悩の多く強いものでは無かったが、美しい花の日に瓶中に萎れゆくが如く、清らな瓜の
筺裏に護られながら漸く玉の艶を失って行くように、次第次第衰え弱った。定基は焦躁し....