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「箆棒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

箆棒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
た一件で、 「こんな苦しいお伴をした事は生れて初めてだ。荷物の重いばかりでなく、箆棒《べらぼう》に前途《さき》ばかり急いで、途中ろくろく休む事も出来ねえ。どこま....
ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
ら、そこでピストルがドカンと発射される順序になるんです。この仕掛けは、あのように箆棒に寒い暁近くでもなければ、普通の日の昼間はもちろん夜見ても、二つの接点が離れ....
遊星植民説」より 著者:海野十三
。まずお月様を征服することじゃ」 「まア!」 「ロケットという砲弾みたいな形の、箆棒に速い航空機に、テレヴィジョン送影装置を積んで月の周囲を盛んに飛行させ、月の....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
、阿Qに間違いがあるのに、なぜみんなは殊の外彼を尊敬するようになったか? これは箆棒な話だが、よく考えてみると、阿Qは趙太爺の本家だと言って打たれたのだから、ひ....
村芝居」より 著者:井上紅梅
母とわたしに食べさせるために贈ってくれたもので、彼は母親に向って、わたしのことを箆棒にほめていたそうだ。 「年はいかないが見上げたもんだ。いまにきっと状元に中る....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
女へチョッカイは出さない方がいい」 「うるさい下司だな、何を云うか!」 「何を、箆棒、怖いものか」 「行け!」 「勝手だ」 「白痴者め」 云いすてて貝十郎は先....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
え」紫錦ははすっぱに笑ったが「苦労性だね、お前さんは」 「何を云いやがるんでえ、箆棒め、誰のための苦労だと思う」 「アラアラお前さん怒ったの」 面白そうに笑い....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
どこに隠してあるんだろう? こんなに探しても目つからないなんて、どう考えたって箆棒だよ。もっとも途法もなく大事なもので、それこそうんとこさあろうとは思われない....
戯作者」より 著者:国枝史郎
をひょいと上げると、据風呂桶がニョッキリと眼の前に立っているではないか。 「えい箆棒、気を付けろい!」 桶の中から人の声がする。 「桶を冠っているからにゃ、眼....
柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
いる鬼小僧以外、人の姿は見られなかった。 と、鬼小僧は突然云った。 「解った!箆棒! 何のことだ!」 3 「解った! 箆棒! 何のことだ!」 こう叫んだ鬼小....
鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
この綱五郎の眼から見りゃア――そういう俺らア男さ! ナニ『醒ヶ井のお綱』だって!箆棒めえ、そいつア土蔵破としての肩書だア。……この綱五郎の眼から見りゃア、一目瞭....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
しかしあんな猪牙がかりに、借せるような物じゃアないはずだが。金銭に直して幾万円?箆棒めえ借せられるものか! だが借したのは事実なのだ。……曰くがなけりゃアならな....
歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
とこれやア姉妹かも知れねえ。――だが、あいつの肌に、まともに触る間もねえうちに、箆棒な、あんな野郎が、あすこへ現れるなんて。――」 歌麿はそういいながら、手に....
五重塔」より 著者:幸田露伴
目くさく云ったその面がおかしくて堪りませぬ、あまりおかしいので憎っ気もなくなり、箆棒めと云い捨てに別れましたが。それぎりか。へい。そうかえ、さあ遅くなる、関わず....
春泥」より 著者:久保田万太郎
も、そうした由良の天下になったとき、とにかく菱川は万と声のかゝる金をこしらえ、「箆棒め、江戸っ子でえ」の、宵越の銭をもたないはずのかれにして、なお、八丁堀に格子....