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「箇月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

箇月の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
りを、風景ならば西洋風の建物を描《えが》いたのが多いようだった。広子は結婚前の何箇月か、――殊に深い秋の夜《よ》などにはそう云う油画の並んだ部屋に何時間も妹と話....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
な仮面《かめん》に隠れている彼の煩悶《はんもん》に感づくまでには、まだおよそ二三箇月の時間が必要だったのです。が、話の順序として、その前に一通り、彼の細君の人物....
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
だがね、あれは恐らく世界中で一番|汚《きたな》いことを書いた小説だろう。」 (何箇月かたった後《のち》、僕は何かの話の次手《ついで》に『悪魔』の作家に彼の言葉を....
少年」より 著者:芥川竜之介
。が、いかに叱られたにしろ、わからないことのわかる道理はない。彼はその後《ご》数箇月の間、ちょうどひとかどの哲学者のように死と云う問題を考えつづけた。死は不可解....
」より 著者:芥川竜之介
火を透《す》かしたアイロンも――いや、彼女を尋ねて行ったことも確かにわたしには何箇月か前の(あるいはまた何年か前の)夢の中に見たのと変らなかった。のみならずわた....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
不幸なものたちよ。 それからお前たちの母上が最後の気息を引きとるまでの一年と七箇月の間、私たちの間には烈しい戦が闘われた。母上は死に対して最上の態度を取る為め....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
ば、即座に越前福井なるなにがしという金主|附《つ》きて、金沢を打ち揚げしだい、二箇月間三百円にて雇わんとの相談は調《ととの》いき。 白糸は諸方に負債ある旨を打....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
と思うと、僕は身の毛が逆立ったのである。井上眼科病院で診察してもらったら、一、二箇月入院して見なければ、直るか直らないかを判定しにくいと言ったとか。 かの女は....
骸骨館」より 著者:海野十三
灰色の化物屋敷のように見えるのだった。 それにこの荒れはてた工場については、数箇月前のことであるが、恥の上塗りのようなかんばしくない事件がおこった。それはこの....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
。 そのために、帆村はいよいよミミ族と正面からぶつかる用意を、わずかあれから三箇月後に完了したのだった。帆村はそのことを報告するために、一日左倉少佐を訪ねたの....
歯車」より 著者:芥川竜之介
かを?――しかし僕の物質主義は神秘主義を拒絶せずにはいられなかった。僕はつい二三箇月前にも或小さい同人雑誌にこう云う言葉を発表していた。――「僕は芸術的良心を始....
島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
思ったものが実は後に島木さんを殺した癌腫の痛みに外ならなかったのである。 二三箇月たった後、僕は土屋文明君から島木さんの訃を報じて貰った。それから又「改造」に....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
加うるに文明|精巧の兵器を以てして尚お容易にこれを鎮圧するを得ず、攻城野戦凡そ八箇月、わずかに平定の功を奏したれども、戦争中国内の有様を察すれば所在の不平士族は....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
とにかく鉱山労働者の、同志に対する熱情は非常に強い。そのために到頭、足尾事件で五箇月監獄にぶち込まれることになった。 監獄に行ったのは、震災当時に市ヶ谷刑務所....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
鞋の踏みすぎたあとの蟻の塔はずんと凹んで、その凹んだ草鞋のあとは、幾山雨のため数箇月の後には平らめにならされ、軈てまた新たなる蟻の塔が此の無人の境に建設されてゆ....