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箏
「箏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
箏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「盲人独笑」より 著者:太宰治
緩頬《かんきょう》なされているかも知れない。 葛原勾当。徳川中期より末期の人。
箏曲家他。文化九年、備後国深安郡八尋村に生まれた。名は、重美。前名、矢田柳三。孩....
「野分」より 著者:夏目漱石
かみを吸うて、落ち合うからは、二人の魂は無論の事、溶《と》けて流れて、かき鳴らす
箏《こと》の線《いと》の細きうちにも、めぐり合わねばならぬ。演奏会は数千の人を集....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
するものではない。またしたところで聞きもしない。……お前は深夜お前の部屋で時々|
箏を、弾くことがあるが、よい習慣とは云われないな。……水泡よ、お前はその
箏を、今....
「黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
女学校を優等の成績で卒業し、女一通りの事は何くれとなくたしなんでいたが、わけても
箏曲を死ぬ程好いていた。 音絵の琴の師匠は歌寿と呼ぶ瞽女の独り者であった。歌寿....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
人となった者があると言い伝えているが、それが丁令威という人であることを知らない。
箏笛浦 廬江の
箏笛浦には大きい船がくつがえって水底に沈んでいる。これは魏王|曹....
「連環記」より 著者:幸田露伴
月の冴えたる良き夜に、やや古りたる檜皮葺の家の御簾ところどころはずれたる中に女の
箏の琴弾きすましたるように聞ゆ、と申した。以言はと仰せらるれば、白沙の庭前、翠松....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たいものですが、三味線がございますか。あ、そうですか、先生が尺八で、あなた様がお
箏《こと》で、わたくしが三味線で……それは至極よろしうございます、お相手を致しま....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
うち》で甲子祭《きのえねまつり》の夜|紫宸殿《ししんでん》の大黒柱に供物を祭り、
箏《こと》一張で四辻殿林歌の曲を奏す。これ本より大極殿の楽なり、この曲を舞う時、....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
は氏のほかに美術学校から大勢来られて描かれた立派なものだった。作曲は鈴木鼓村氏の
箏を主楽にしたもので、三味線楽もあしらったが、
箏曲をもとにしたのは、やはり最初で....
「江木欣々女史」より 著者:長谷川時雨
生れではあるが、お母さんは山谷《さんや》の八百善《やおぜん》の娘であるところの、
箏《こと》の名手である友達は、小さな体に目立《めだた》ない渋いつくりでつつましく....
「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
空《くう》を残して、ドカリと、傍床《わきどこ》の前に安坐《あんざ》を組んだのは、
箏《こと》の、京極《きょうごく》流を創造した鈴木|鼓村《こそん》だった。 「此処....
「雨夜の駅」より 著者:宮城道雄
でも安心して往きたいと思っている。 私のただ一つの望みは、寿命の来る迄相変らず
箏が弾ける様にと、そればかり願っている。 こんなことを考えている中に、何かざわ....
「二面の箏」より 著者:鈴木鼓村
自分の京都時代にあった咄をしよう。 元来|
箏という楽器は日本の楽器中でも一番凄みのあるものだ、私がまだ幼い時に見た草艸紙の....
「呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
通では気狂い染みたと思われる所業も敢てする。現に慶四郎の傑作の一つとなっている新
箏曲の小品「恋薺」は、正月の七草を昔風に姉の仲子にはやして切っていた姉の姿はおか....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
国をば
久しく忘れたりしに、その係恋に我また襲はる。
我が囁く曲は、アイオルスの
箏の如く、
定かならぬ音をなして漂へり。
我慄に襲はる。涙相|踵いで堕つ。
厳し....